女と男のいる舗道
女優になることを夢見たナナは夫と別れパリへ。しかし現実は甘くなく、レコード店の給与だけでは暮らし向きが厳しくなるばかり。必然のように街で男を拾うようになり、やがて売春組織に売られることに。
夢に焦がれ、夫と子供を捨てることがそれほどの罪なのでしょうか? 徐々に表情を失っていくナナを見ていると、ちょっと厳しすぎるんじゃないのと泣きたくなってきますが、この世の真実は無慈悲に決まっている、ゴダール監督はそう断じているようです。
ゾラの小説に登場する同名の高級娼婦ナナも転落の人生が待っていましたが、一度は上流社会の男たちを手玉に取り、パリの有名人にのし上がっています。しかし、こちらのナナには楽しいことがひとつもなかった。突き放すようなエンディングに呆気にとられ、胸がふさがりました。
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