ジヴェルニーの食卓
マティスとピカソ、ドガ、セザンヌ、モネの人生を垣間見せてくれる4つの物語を収めた短編集。
新しい絵画の時代を代表するこれら画家の作品は各種の展覧会でたびたび目にする機会があり、身近な印象を覚えていましたが、さて、ご本人たちについて思いを馳せると具体像が何も浮かばす、身近とはいいがたい存在でした。
原田さんは画家を取り巻く人たちの目を通して彼らの日常や制作の現場を再現して見せ、彼らが創作に苦悩するばかりではなく、ささやかな出来事に心を楽しませたり、些事に煩わされたりする一人の人間であったことを示してます。
印象派の作品そのもののように光に満ちていて、できるものなら額に入れて飾っておきたいと思わせる美しい物語たちでした。
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