Un gato lo vio −猫は見た

映画やらスポーツやら小説やら、あれやこれや。
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戦争と平和

原作はもちろんトルストイ。分厚さに怯えて未読だったため、映画で済ませてしまおうと目論んだものの、こちらも4時間弱の作品。いやあ、腰が痛くなってしまいました。

トルストイが小説で何を描こうとしたのか未読の今は分かりませんが、映画の方はラブストーリーに重きが置かれていたように感じます。オードリー・ヘプバーン、ヘンリー・フォンダ2人の共演を堪能できればそれで良し、かな。

美しく生まれるということは不幸なことなのかもしれません。ヘプバーン演じるナターシャは吸い寄せられるように近づく数多の男に次々になびいてしまい、結果として相手も自分も破滅の道へと導いてしまう。しかも、ちょいと人をイライラさせる性格でした(さすがに10代には見えないし…)。

一方、従姉妹のソーニャは健気だった。許嫁(夫?)の心変わりを許し、暴走するナターシャを諫める。叔父宅の再建には文句も言わずに従うなど、パートナーにするならソーニャだと思いました。

ハリウッド映画とはいえ、全員英語でしゃべるのは興ざめですね。戦争を扱っているけれど、基本的には娯楽作品のトーン。やはり原作を読もうと思わせてくれた点でマルとするかなあ。

 

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吉田博展 上田市立美術館

ここ半年ほど雑誌やテレビなどで目にする機会が多く、どうにも気になって仕方なかった吉田博の展覧会へ出かけました。

日曜美術館は版画を中心にした紹介でしたが、実際には「日本人にしか描けない洋画」を目指し、幅広い制作活動を行っていたとのこと。
独特な技法と色使いの木版画はもとより、初期の水彩画にも強い印象を覚えました。その場の空気や湿度を感じさせる表現が見事です。

デッサンも素晴らしい。常に持ち歩いていたというスケッチブックにあふれる自然描写は素早い筆の動きにもかかわらず、非常に克明です。画家がその場で感じた感動が伝わってきますねえ。

国内で作品が評価されず、それならばと海を渡ってアメリカの美術館に自らを売り込んだのだとか。叙情的な作品とは対照的な情熱的・行動的な性格だったということがなお、この画家に対する興味をかき立てます。

 

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瘋癲老人日記

恐ろしい、いや、たいしたジジイだ。息子の嫁に脚を舐めさせてもらって大興奮だもんなあ。血圧が上がってこのままでは死ぬと危ぶみながらも、いやそれでも構わないとむしゃぶりつくんです。

このジジイは77才の卯木督助老。左手先は神経痛で動かず、脳溢血の影響で歩行に支障を来し、性的には完全に不能。それゆえ、異常性欲が昂進し、若い肉体に一層執着するんですね。
もはや、家族全員の知るところとなってもいっこうにお構いなし。谷崎の他の主人公同様、マゾヒスティックな喜びにひたすらおぼれ続けるのでした。

死してなお、嫁の颯子(さっこ)の足蹴にされたいと願い、彼女の足形を仏足石にした墓石を作ろうと目論むくだりはすごいのひと言。
死後、颯子の仏足石に踏まれながら「痛い痛いと叫び、痛いけれど楽しい、この上なく楽しい、生きていたときより遙かに楽しいと叫び、もっと踏んでくれ、もっと踏んでくれと叫ぶ」のだとか。

谷崎小説にだいぶ洗脳されてきたのか、このジジイに嫌悪感を感じないどころか、最も親しみを感じますね。
異常に見えるけれど、みんな人に言えない闇を持っている。この老人の場合はそれがひときわ強烈な性欲だったということ。
それを、恥も捨て去り、開き直ってとことん追求するという姿が、疎ましくも好ましいのでした。

 

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魅惑の小径 角田山小浜コース

シーサイドライン小浜の対面に車を乗り入れると、山に向かう人影発見。ここが登り口だと教えてもらい、長らく謎だった小浜コースにようやくとりつくことができました。

写真上の稜線は灯台コース、そして、中央下から右上に伸びる枯草の陰が小浜コースの登り口なんですね。何も知らずにやってきても絶対に分からないな、ここ。

連休初日ということで、角田山全体は大賑わいでしたが、このコースでは先の登山者と私の2人きり。聞こえてくるのは背後の波音、風に揺れる若葉のさざめき、そしてメジロ、ホオジロ、ウグイスの元気な鳴き声だけ。秘密の小径を独り占めしているような気分になって、わけもなくニヤニヤしてしまうのでした。

登りはじめの20分くらいは急登ですが、ゆっくり登ればきつくありません。全体には南隣の浦浜コースをさらにひなびさせた感じですね。
桜の巨木が道沿いに数本そびえ、葉桜を楽しませてくれましたし、ずいぶん久しぶりにニホンタンポポの姿も見ることができました。

角田山の10コースを登り、それぞれに楽しさがあると感じましたが、個人的には五ヶ峠とこの小浜が気に入りました。春の桜尾根も捨てがたいな。

そうそう、10コースと書きましたが、小浜ルートから左右の谷に向かって登山道とおぼしき3本の踏み跡がついていましたし、桜尾根コースも途中で分岐があります。三望平からは福井コースへ向かっているのかと思われるしっかりした道が伸びているし、観音堂から五倫石コースへ合流できるという噂も聞きました。いったい、どれほど登山道があるのやら。低山ながら、懐の深い山のようです。

 

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