アイ・アム・キューブリック!
またしてもキューブリック監督を騙る男のお話(制作年はムーン・ウォーカーズよりこちらが先)。
人生の負け犬を自認するゲイのアラン。しかし、彼は自信たっぷりにキューブリック役を演じることで、町で出会う人たちを次々に魅了。若手デザイナー、アマチュアロックバンドはおろか、レストラン経営者や有名コメディアンまで籠絡してしまい、一瞬の快楽に浸り続けるのです。
正体がばれても人の心を操る技が鈍ることはありません。精神疾患を装って刑事訴追を免れ、しかも、担当医の自尊心をくすぐりながら、有名人しか入所できないような超豪華禁酒クリニックに国費で潜り込んでしまうのですから、もはや職人技の極みです。
嘘は大きいほど信じてしまいがちですよね。しかも、巧みに自尊心をくすぐられたら、これはお手上げ。信じたい、褒められたい、という気持ちは誰の心にもあるものです。たぶん、私もアランにお金を巻き上げられる口ですが、やられたときはお見事と脱帽するしかなさそうです。
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