突然炎のごとく
突然、理不尽に怒り狂う女性に対して、村上春樹さんは「自然災害だと思って、あきらめ、耐え忍ぶ」ようアドバイスしています。
しかし、しかし、ジャンヌ・モロー演じるカテリーナは存在そのものが自然災害、天変地異。
この映画が制作された1962年に見たなら、「女性よ、男のくびきから逃れ、もっと自由に生きよう!」というメッセージを受け取ったと思いますが、女性優位の現代日本では村上さんのアドバイスのように「女性とは自由な生き物。男たちよ、耐えなさい」という意味合いに変わっています。
男の私からすれば、彼女に恋する2人の親友同士に同情するばかり。気に入った男がいれば手当たり次第声を掛け、男が不実だといっては当てつけのように浮気をくり返す。そして恋しくなれば会いに来てと手紙を送り続け、男としてはまるで竜巻に巻き込まれたようなものです。
カテリーナの性格に女性の解放という側面を持たせたにせよ、私は彼女の倫理観について行けません。
自然災害には近づかないに限る。くわばら、くわばら……
そうそう、15年ほど前にSixpence None The Richerの「Kiss Me」というヒット曲がありました。モノクロ画面のあのビデオ、男女3人の仲むつまじい様子が微笑ましく、とてもしゃれていると思っていたのですが、そうか、この映画をそのままリメークしたんですね。こちらは天変地異の予感ゼロ。別バージョンのトレーラーとして楽しめます。
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