ネマニャ・ラドゥロヴィチ in りゅーとぴあ
ちりちりの長髪、中国の長袍のような黒服に黒タイツ、おまけに膝に届きそうなブーツ。
そのやんちゃな外見からパワフルな音を予想したのですが、前半はとても抑制が効いた演奏でした(むしろピアノのスーザン・マノフの方がダイナミック)。でも、パワーを秘めているのは確実。大排気量の自動車が適度な速度でクルージングしているようで、ゆとりが感じられます。
休憩後からはかなり乗ってきたようで、いよいよ本領発揮。音量が上がり、滑らかさも増したような気がします。まるでアンプが入ったみたい。フランクのソナタではあまりの熱演振りに第2楽章の終わりで拍手が出るほどでした。
そして、木管楽器のような低音から口笛のような高音まで自在に操るテクニックに呆然。あんな音は初めて。しかもピアニシモで奏でるなんて(プロなら普通にできるのかな?)。
アンコールには3回も応じ、しかも最後は3曲ほどのメドレーという大サービス。
終始笑顔で演奏し、時におどけてみせる様はやんちゃぼうずのようで、耳だけではなく目も楽しませてくれました。客席も盛り上がり、手拍子まで出ましたからね。
すっかりのぼせたご婦人方も多かったようで、本人がサインしてくれるというCD販売会は女性客が行列。あっという間に売り切れでした。
個人的にはピアノとの掛け合いが絶妙なモーツァルトが楽しかった。マノフと視線を合わせてタイミングをとる様子はダンスを踊っているようでした。アンコールのチャルダッシュではこちらが踊りたくなっちゃいました。
2000円という破格の料金もナイスです(東京は7000円だとか)。
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