梅佳代展
会場に足を踏み入れた瞬間に吹き出してしまった!
白目をむいた巨大な小学生男子のお出迎えです。変な顔で変なポーズを決めまくるがきんちょのコーナーを腹を抱えながら通り抜けると、次に待っていたのは無防備すぎる中学生女子たち。スカートをめくってみたり、足の間に大根をはさんだりと無邪気なことこのうえなしです。
有名になったじいちゃんの写真も楽しいものでした。16年間にわたって実家の家族を撮りまくったもので、これだけで数百枚。全判からL版くらいの小さいものまで、壁面の上から下までびっしり。
何をされようがにこにこと達観した境地のじいちゃん、いつまでもカメラを向けられることに慣れないばあちゃん、屈託のない笑顔の妹(?)たちの膨大な写真を見ていると、全く面識のないよその家族なのに、なんだか他人のような気がしなくなります。
すっかり楽しい気分になったのは私だけではなく、会場のあちらこちらから笑い声が響いていました。中でも、じいちゃんの写真を1枚ずつ丹念に眺めながらあれこれ感想を述べ合う中学生女子2人組みの姿が印象的だったなあ(いったい何時間見ているんだ?)。
実家の家族はもちろん身内だけれど、他の写真も身内意識、仲間意識がなければ撮らせてもらえないものばかり。梅佳代の写真の極意はそこにつきますね。
いつもカメラを携えていて、面白いと思ったらさっと撮っちゃうんだろうな。
すばらしいオリジナリティだ。彼女の写真がこの先もこの勢いで突っ走るのか、それとも変化を見せるのか、どちらにしろ、とても楽しみです。
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