Un gato lo vio −猫は見た

映画やらスポーツやら小説やら、あれやこれや。
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殿方ご免あそばせ



「殿方ご免あそばせ」と「素直な悪女」、若くて可愛らしいBBの主演作を2本続けてみました。
殿方は、大統領の娘とその夫の恋のさや当てゲーム、素直な悪女は貧しい孤児が美貌を武器にのし上がろうとするお話。

どちらも素のままなんじゃないかと思わせる天衣無縫振り。まあ、無鉄砲なこと!
小悪魔のようなルックスはもとより、あふれ出る若さが眩しすぎます。目がくらんじゃいました。
どちらかと言えば、上流階級の世間知らず、という役どころの方が自然だし、見ていて安心かなあ……
いやいや、上昇志向むき出しで、今にも窮地に陥りそうな危うさも捨てがたいかなあ……
なんて、ひたすらうっとりしていたのでした。

「殿方」の舞台は1950年代後半のパリ。冒頭、ブリジット役のBBがシャンゼリゼ通りを赤いオープンカーで走るシーンがありまして、これがツールドフランスで目にする現在のシャンゼリゼとほとんど変わっていないことに驚きました。さすがは石の文化。
BB操る赤いオープンカーも小粋でした。調べたらシムカ「アロンド」という車。
雪国じゃなかったらあんなの欲しい。

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蕎麦屋の幸せ 番外

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いつもお邪魔している野のやさんで、昨年、NHKの「仕事の流儀」で取り上げられた師匠、高橋邦弘さんのお話しを伺っていたところ、なんと4月3日に名人が新潟で蕎麦を打つという耳寄りな情報を仕入れました。

野のやさんは自家製粉なので、いつでも香り豊かで喉ごしの良い蕎麦を堪能できるのですが、その技を伝えた師匠、高橋名人の蕎麦は食べたことがないのです(ボーリングはご一緒させてもらったけど)。
番組内で伝えられた通り、今後は大分に移住するため、新潟で蕎麦を打つのはこれが最後だろうとのこと。

そのうち機会があれば、なんて悠長に構えていたけど、これは何としても食べてみたい。
問題は蕎麦打ちのイベントが平日昼間だということ。
年度替わりの繁忙期で仕事を休むのは難しいし、うーん、どうしよう。急病を発するしかないかなあ……

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竜との舞踏



この1カ月というもの、マーティンの描く異世界の大河ドラマ、「氷と炎の歌」シリーズ5作目にどっぷりと浸かっています。寒さが厳しい冬の日々に凍えるようなストーリー展開です。
上中と読み終えたところで、主要登場人物達それぞれの時間軸が揃い、いよいよ新たな展開に向かい始めたところです。

足かけ12年に渡って楽しませてもらっているこの小説、最大の特徴は善人が登場しないところ。みんな他人を蹴落として自分だけがいい目を見たい。なまじ気が優しいとすぐに舞台から姿を消してしまう凄まじさで、ここには勧善懲悪という概念は存在しません。

そんなあくの強いキャラクター群の中で、私がいちばん気になるのは小人で「小鬼」とも揶揄されるティリオン君。
有力王家の嫡子なんですが、醜い見てくれとあまりの毒舌振りに一族から総スカンを食らい、挙げ句には父王を殺害して流浪の旅へ。

今回は、流れ流れて、とうとう奴隷にまで身を落としてしまった。けれど、笑われようが打擲されようが、はては川底に沈もうが、何が何でも生き抜いて、こんな目に合わせた憎き姉や一族に一矢報いるんだ、という執念、いや怨念には脱帽。山ほどのコンプレックスさえ生きる燃料に変え、ますます好い味出てます。
彼の奮闘振りと、どんな最期が用意されているのか楽しみです。

それにしても、この先どうなるのかまったく先が読めません。これを読書の至福といわずに何と呼べばいいのか。気がかりは著者マーティンの体調ですね。

あと2シリーズで完結させるようですが、4作目から5作目まで6年の時間がかかったことを思うと、作者の存命中にそこまでたどり着くのかどうかが心配です。
隆慶一郎の「花と火の帝」「死ぬことと見つけたり」が断筆した時の無念さは今も変わらず。あんな思いはごめんなので、とにかく元気に過ごして、決着を付けて下さいね。

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16ブロック



人は変わることができるのか。
なんとストレートな問いかけ!

勤務中から飲んだくれている刑事のジャック・モーズリー。夜勤明けの彼は、出勤が遅れた刑事に代わって収監中のエディを法廷に移送することに。その距離、わずかに16ブロック。
エディは常習的犯罪者ですが、複数の刑事の不正を暴くための重要な証人でした。そんなことはつゆ知らないジャック。2人はエディの証言を阻止しようとする同僚らに追われ、ニューヨークの街を逃げ回ります。
果たして彼らは無事法廷にたどり着けるのか。

更生して人生をやり直すのだと希望を語るエディに対し、ジャックは「人は変わることはできない。天気や季節とは違う」と決めつけます。彼もまた苦い過去を捨てて変わりたいと思っているのですが、それは結果的に昔の仲間を裏切ることになり、決心がつきません。変わることができないという言葉は、愛想が尽き果てた自分自身に投げつけたものなのでしょう。
さて、二人は、そして彼らを始末しようとした刑事たちは変わるのでしょうか。

しょぼくれた姿でタフな役をやらせたら、やっぱりブルース・ウィルスは天下一品。ダイハード的なアクションも見せつつ(バスで大立ち回り!)、良心に苛まれる苦悩振りは堂に入ったものです。
エピローグは予想通りだったけれど、人は変わることができるのだと納得したジャックが見せる泣き笑いのような笑顔が爽やかな後味を残してくれました。

この表情を見せるためにこの映画が作られた、と言っても言い過ぎではないでしょう。

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篠山紀信 写真力



いやあ、懐かしい写真のオンパレード。ポスターに使われたジョンとヨーコ、山口百恵の姿には郷愁を感じます。

思い出すのは高校時代。新しく創刊された雑誌「GORO」のグラビア第1号が山口百恵でした。当時、清楚なイメージで売っていた彼女のあの姿、あの表情が公衆の目にさらされるなんて誰も予想できなかった。


実に強烈なインパクトでした。
百恵ちゃん本人だって、あんな写真を撮るつもりなんてなかったかもしれません。あれよあれよという間に色っぽい姿になっちゃって。
「激写」を謳った「写真小僧」の実力はさすがなのでした(ファンだった先輩は、1週間、あの写真について語り続けていたものです)。

意外だったのは、先の震災に見舞われた一般の人たちのポートレート。
被害を受けた自宅とおぼしき建物(の残骸)を背景にレンズを見つめる人たち。その静かな表情は見る者の心を捉えて放さないものがありました。
あの状況で、レンズを向けて撮らせてもらえるなんて、やはり、篠山紀信というカメラマンの力は並外れているようです。

このような篠山さんのドキュメンタリー写真はもっと見たいと思うのでした。

個人的ベストは三島由紀夫のポートレート2点。
「完全にいってる」感の迫力たるや。

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