セヴィリアの理髪師
1人の女性を巡る2つのグループの争奪戦。
叔父で後見人の医師バルトロに軟禁されたロジーナは、セヴィリアの退屈な生活にうんざり。しかも叔父は結婚を画策している様子。すてきな人が自分を救い出してくれないものかと夢見ています。
そして、アルマヴィーヴァ伯爵はマドリッドで目にしたロジーナに一目惚れ。彼女を手に入れようとセヴィリアまで出向いたものの、バルトロ+音楽教師陣営の守りが堅く、打つ手なし。
そんなところに登場したのが理髪師で何でも屋のフィガロ。さて、この稀代のお調子者で楽天家の知恵を借りて、ロジーナを救出することができるのか。
ご存じ「フィガロの結婚」の前日譚でありまして、同様にお気楽この上ないオペラでした。アリアも楽しいメロディーが多くて親しみやすいし、教訓もなんにもないところが素晴らしい。ああ、楽しかった! と気分爽快なのであります。
その後の「フィガロの結婚」では、伯爵がロジーナをほっぽり出してフィガロの婚約相手にちょっかいを出すことになります。ロジーナは、こんなことなら結婚するんじゃなかった、と後悔しているかもしれませんね。
併せて見ると楽しさ倍増です。
私が見たのは2002年にパリ、バスティーユ歌劇場で上演された舞台。指揮カンパネッラ、演奏パリ・オペラ座管弦楽団、演出は映画監督のセローでした。イスラム文化に影響された衣装やセットの抽象・幾何学模様が何とも言えず美しかった。そして、頻繁に登場する複雑な重唱には引きつけられました。
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