黙秘
法廷ものかと思いながらオープニングクレジットを見ていたら、原題は「ドロレス・クレイボーン」。おお、キングじゃないか。これは期待が高まる。アーヴィングと同じく、キング原作の映画って(ホラーはさておき)出来が良いですからね。
原作と同じく、一度始まったらぐいぐい引っ張られ、あっという間の2時間。実に質の高い娯楽作品に仕上がっていました。ああ、面白かった!
男社会に立ち向かう女達、そして母娘の和解が映画のテーマでしたが、いちばんの見どころは、なんといっても母親ドロレス役のキャシー・ベイツ。「ミザリー」で演じた大好きな作家を監禁する狂気のアニー役は鬼気迫るものがありましたが(下手なホラーより恐かった!)、それに引けを取らない迫真の演技です。
子供を守るためなら、たとえ相手が暴力的な夫であろうと刑事であろうとひるまない。その猛々しさは子熊を守る母熊そのものでした。
いつだって自分の身を捨てる覚悟が素晴らしい。子を思う気持ちが「鬱陶しい」などとというレベルをはるかに超えてしまえば、そりゃ、いくら毛嫌いしていた娘でも振り返りますよ。
「生きていくためには、時に悪い女にならなくてはいけないんだ(Sometimes, being a bitch is all I have to hold onto.)」という台詞が泣かせます。
ところで、Dixie Chicksの「Goobye Earl」って、この映画に触発されたのかな?
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