敵は海賊・海賊の敵
なんの留保もなく笑い転げる。これは人生の幸せの外せない1つです。
でも、この幸せはいつが最後だったっけ? 数年前の寄席で聞いた権太楼の「代書屋」まで遡るなあ。ああ、あの幸せを感じたい…
なんて思っていたら、来ました、来ました。
神林長平の「敵は海賊」シリーズ最新刊。
もう30年来のおつきあいで、登場人物の性格や行動パターンは完璧に把握。
へたすりゃ、台詞まで予想がつき、うちの黒猫がオスだったらあの名前をもらっていたかもしれないという古なじみ。
もはや古典落語の域に達しています。
さっそくページをめくると、対コンピュータ戦闘を任務とするフリゲート鑑ラジェンドラが記す報告書、という設定からして既にニヤニヤ。
周りに人がいたら気持ち悪がられること間違いないんだけれど、「留保なし」のおもしろさなんだから仕方がない。
そして、可笑しいだけでも幸せなのに、他の神林作品同様、優れたコミュニケーション論としても楽しめるところが偉いんだなあ。
知的好奇心も満足させてくれるこのシリーズがまだまだ続いてくれますように。
そして、神林さん、たまには新潟に帰ってきてくださいね。
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