Un gato lo vio −猫は見た

映画やらスポーツやら小説やら、あれやこれや。
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寄席の幸せ8



先週のこと、末廣亭へ出かけました。
アルコールを飲めないので、ふだんはもっぱら鈴本なのですが、今回は近所で用事があったため数年ぶりにのぞいてみました。
やっぱり雰囲気は最高。

ところでこの日は出演の順番が大きく変わりまして、いろいろ妄想をたくましくしたのであります。

そもそもスケジュールの関係で彦いちが繰り上げで舞台に登場したことが始まり。
次を急いでる感じが伝わって、熱演ながらも拍手がまばら。
そして本当は中入り前に出番だった川柳が登場。
「彦いちが汗かいて一生懸命やってんだから、もっと盛り上がりなさいよ」と客に意見をするのは毎度のことなのでありますが、この日はことに機嫌が悪かった様子。
小言が続き、客席は静まりかえって不穏な雰囲気。

さあ、このあとどうなるんだろう、とひやひやしていたところ、これまた中入り直前に出番の予定だった小さんが登場。
きっと、川柳の次の出演者が泣きついたのではないかと想像するのです。
「うわあ、こんな雰囲気であたしゃ喋れませんよ。誰か替わってくださいよ。ねえ、師匠、あなた理事なんだからなんとかしてください」ってんで小さんが出張ったんじゃないかなあ…

はい、小さん師匠みごとに雰囲気を和らげ、後につなげてくれまして、その後は常より盛り上がったのでした。
ああ、やれやれ。

さすが、生の現場はいろいろあって、これがまた次もまた出かけようという気持ちになるんですね。
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人生に乾杯!



将来仕事ができなくなったとき、年金だけで暮らすことができるのだろうか?
だいぶ年齢を重ねてきたこともあって、最近ものすごく不安なのです。

エミルとヘディはまさにそんな状況。つましくあたりまえに暮らしているだけなのに、さまざまな支払いが滞り、取り立て人におびえる日々。2人の気持も離れがち。
そして、妻が執行人に大事なイアリングを渡した姿を見て、おとなしいエミルの我慢も限界に。
こんな少ない年金で暮らしていけるか!
旧共産党時代の幹部を乗せた時代物の車で銀行強盗だ!

一方、犯行を重ねる2人に世間は同情的。
テレビのインタビューに「我慢の人生だったら、さいごに一発やらかせばいい」と応えるあんちゃんがその代表格。
襲われた人たちも「とても紳士的だった」「あいつはいいやつだ。私は許すよ」など、恨みは一切なし。
実際、私だって映画を観ながら「やれやれ、いっちまえ」とけしかけてた。

監督や脚本家は我慢の人生を送る人たちへのご褒美としてこの映画を作ってくれたのかもしれません。
人を殺めることなく穏やかに金品を奪い、つかの間の贅沢を味わって失われた愛情を取り戻す老夫婦。
辛い人生だったらなおさらのこと、楽しい思い出のひとつくらいは胸に抱いて死にたいじゃありませんか。

で、この映画はそれだけじゃなくて、映画的に楽しいエンディングも用意してくれました。
映像やセリフの端々に感じる些細な疑問。これが最終的には後味の良さを残してくれるのです。
スティングや蒲田行進曲ほどの鮮やかさではないけれど、にんまりすること請け合いです。

最後の最後に明かされるイアリングのエピソードもとても素敵。

ああ、それにしても、年金が心配だ。
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炎の肖像

 

またもシネ・ウインドのジュリー祭りにふらふらと吸い寄せられてしまった。
今回観たのは74年の初主演作「炎の肖像」。

沢田研二が「ジュリー」というニックネームの芸能人役として出演。映画としてのストーリーに、ジュリー本人のライブ映像を挟み込むという、虚構と現実のミックス作品です。

「ジュリーの私生活のぞいてみたいでしょう? 実はこんな感じかもね」と当時のファンに向けられたサービス作品のような気がします。
実際、私の前に座っていたおばさま2人組も「高校生の時はあのベッドシーンが許せなかった」
「ブリーフ姿にきゃあきゃあ言った覚えがある」と振り返っていました。

ラスト20分ほどは「ロックンロール・サーカス」という当時のライブ映像。
これが格好良かった!
テレビで歌うシングル曲ばかりではなく、ストーンズやジャニス・ジョプリンの曲も歌っていたんだ。歌って飛び跳ねて笑わせて、まさにロックのサーカスでありました。
内田裕也とデュエットする聖者の行進やC.C.Riderも見応えありです。


幼い秋吉久美子は木訥そうな顔して結構したたかな女を演じてましたねえ。
樹木希林と内田裕也が同じ映画に出ていたのも興味深かったし、スナックのママ役の朝丘雪路ははまりすぎでした。地井武男も若いー。

という感じで、ジュリーの格好良さと懐かしの70年代を堪能しました。
来年もあったら、また見ようっと。
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裸で御免なさい


18才のBBがひたすら可愛らしいコメディ映画です。
もう、ただそれだけ。それだけなんです。

バルドー演じるアニエスを追いかけるお調子者は新聞記者。こいつの勤める新聞社がお気楽なんだなあ。
基本的に、男たちは女性を追い回すことが仕事みたいで、どたばたギャグがてんこ盛り。
うーん、この会社の雰囲気ってクレージーキャッツの無責任シリーズに引き継がれている気がする。
楽しそうでいいですな。

ラストシーンに登場する日本はすごい!
桜と鳥居越しに見える富士山はOKですけど、木の間に紐で吊ったブランコをこぐ着物姿の少年って、そんなの、ないない。


そして列車シーン。出てくる女性はチャイナドレスで、みんな中国語を喋っているんですけど…
ま、お気楽映画の締めくくりにはふさわしいかもね。

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