チェ・ゲバラと、後年キューバにサンチャゴ医学校を設立するアルベルト・グラナードが若き日に南米大陸を縦断していた!
やはり、栴檀は双葉より芳しいのですね。
オートバイ、徒歩、ヒッチハイクで南米各地を北上するエルネストとアルベルト。各地でつましく暮らす人々と出会い、いつしか人の役に立ちたいという思いをいだきます。
そしてその思いは、ペルーのハンセン病療養所で手伝いをするうちに確固たる決意へ。
キューバ革命の立役者となるゲバラの若き日々を回想する資料的な見方も興味深いし、アイデンティティ探しをする若者たちのロードムービーとしても優れています。
この映画を魅力的なものにしているのは南米各地の風景と、なんといってもアルベルト役、ガエル・ガルシア・ベルナルの初々しさでしょう。
純粋さと情熱に溢れ、まるで善という価値観を体現しているような演技でした。
口達者で俗物だけれど憎めないアルベルトとの対比も良かった。
それにしても、未舗装の道をオートバイで行くなんて!
彼らの駆るノートン500は見たところ単気筒の空冷エンジン。チューブタイヤだし、こけたりパンクするのは当たり前ですよね。まして雪の降り積もるアンデスを越えるなんて無茶もいいとこ。
行き当たりばったりで人の好意を当てに旅できるのは、若さ故の特権ですよね。
「
さよなら快傑黒頭巾」の中で薫君の兄貴が、「20代後半の男性がいちばん人から好かれる」旨の発言をしていたことをふと思い出しました。
療養所を分けて流れるアマゾン川を筏で下る実際の2人