Un gato lo vio −猫は見た

映画やらスポーツやら小説やら、あれやこれや。
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友だちのうちはどこ?   アッバス・キアロスタミ

なんともチャーミングな映画です。
とある少年が間違えて持ってきてしまった友だちのノートを返しに行くという、ただそれだけのストーリーなのですが、友だちを思いやる少年の気持ちがあったかいんだなあ。
アハマッド君の隣に座るモハマッドレダ君は、宿題をノートに書かなかったことで先生にしかられ、今度言うことをきかかなかったら退学だと脅されました。
それなのにノートを間違ってしまったアハマッド君。なにがなんでもノートを返さなくては。
でもモハマッドレダ君の家は険しい丘をいくつも越えた隣村。しかもどこにあるのかわからない。
おとなたちは忙しそうで、子どものいうことなんかちっとも耳を貸してくれません。目当ての家を探し当てられぬまま、とうとう辺りは真っ暗。
ノートを返しそびれたアハマッド君。申し訳なくて夕ご飯にも手を付けられません。
このままではまたモハマッドレダ君がしかられてしまう。
そこでアハマッド君が思いついたのは……
結末は見てのお楽しみ。
にっこり笑ってあげてください。
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さよなら



突然の悲しすぎる知らせでした。

キャンディーズはアイドルグループでしたが、アイドルが使い捨てにされる時代にあって(ひいき目を抜きにしても)単なる商品ではありませんでした。
ファンクラブの力が強かったこともあり、彼女たちと一部ファンの関係はある種の共同体のメンバー同士といった趣でした。

ウッドストックには間に合わなかった世代の希望的存在だった、といったら言い過ぎでしょうか。
世界がよりよい場所になりうる、という幻想をキャンディーズの向こうに見ていた気がします。

だからスーちゃんの死は、ともに闘った同士を失ったような気持ちです。
さよなら、スーちゃん。
忘れません。
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居酒屋の幸せ16



ご近所の居酒屋「蔦家」は、マスターが自ら野山で食材を調達してきます。
四季それぞれに楽しみがありますが、私はなんといっても山菜が楽しめる今の季節が最高!

ということで「昨日は満足したー」という報告であります。


刺身は鯵、鰯、鮑、大トロを使ったネギトロ。

これはわさびの花だったかな?

ぷりぷりのマツバガニ。

でも甲殻類が苦手な私には別メニュー。シメジであります。

マスターは洋菓子メーカーで勤務したことがあるそうで、最後にこんな本格的なデザートが。
ちなみに直径20センチ。

マスターは今日もお花見なんぞには目もくれず、山菜採りに出かけたようです。
しばらく楽しみが続きそうで嬉しい!

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失恋の対処法

JUGEMテーマ:ニュース

「失恋の痛みは熱いコーヒーをこぼしたときのやけどの痛みに似ている」というおもしろい記事が掲載されていました。

元恋人の写真を見せられた被験者の脳は、腕に高熱をあてたときと同じ部位が活性化したのだそうです。
「ああ、この世の終わりだ……」と嘆くより、「これはやけどと同じ」と開き直ってせっせと薬を塗った方が良いといことか?

例えば、飲みに行くとか、友人に会うとか、おいしいものを食べに行く。そのうちに傷が癒えるということを科学的に証明できる日が来るのかも。

今回の記事でもっと興味を引かれたのは、被験者の募集方法です。
なにしろ彼らは、自分を捨てた元恋人の写真を見せられたうえに、腕に熱いものを触れさせられ、さらにMRIの脳スキャンを受けるのです。

「実験を行うので、恋人に捨てられた人を募集します」なんて言われても、なかなか手を挙げられませんけどね。
実験に協力することが失恋から立ち直る近道ですよ、とかなんとか口説かれたのでしょうか。

被験者募集広告の内容を知りたい、と興味津々の朝でありました
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Man In The Dark ポール・オースター



書評家だった72歳のオーガストは、自動車事故の傷を癒すため娘の家に滞在中。
妻が亡くなったばかりで、娘は離婚、孫娘は恋人が悲惨な死を遂げていました。

オーガストは眠れぬ夜にもうひとつのアメリカを想像し、そこにブリックという男を登場させます。
そこでは9.11事件やイラク戦争は起きていません。しかし、多くの州が独立して国内は内戦状態。人々の心は荒廃しています。

自分が知っているアメリカとは別なアメリカに迷い込んだブリック。
混乱のうちに「この内戦を生み出したのはオーガストという作家だ。やつを殺害して内戦を終わらせろ」と命じられることになります。

作中人物に命を狙われるオーガスト、という展開はスリリングで、初期のオースターを思わすような雰囲気も漂うのですが、残念ながらこれは本筋ではありませんでした。

これは過去の忌まわしい事件から回復しようとするオーガストの苦闘の物語です。
過去と向き合う決意を促すのは恋人タイタスを失った孫娘のカーチャ。
2人は深夜におだやかでとりとめのない昔話を交わし、やがてカーチャが寝息を立てたころ、オーガストはタイタスの死と向き合うことを決意します。

オースターは希望を感じさせるようなエンディングを用意しましたが、西欧人は原因と向き合えば心理的な問題が解決すると安易に考え過ぎるような気がします。
果たしてタイタスの壮絶な死に様から受けたオーガストの傷は回復するのか。
不安が胸に残り続けます。

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光媒の花




読後の切なさが印象的な連作短編集です。
子供の頃に感じた無力感や閉塞感は特に身につまされました。
それにしても、こんなにうまい作家がいたなんて全然知らなかった。
うかつだった。

それというのも、本屋に足を運ばなくなったせいなのだと思います。
以前の勤め先では、目と鼻の先に文芸書の充実した中型書店があり、毎日通っていましたし、外回りだったため、日中もあちこちの書店に顔を出していました。
だから、おもしろそうな本が発する気配を敏感に察知できたのですが……

世間に流通する情報量はあの頃とは比べものにならないほどなのに、入手する本の情報量は激減。
わずかに頼りになるのは同じ読書傾向のブロガーさんたちくらいのもの。

どうも、手に取った本をぱらぱらと斜め読みするのと、オンライン書店で立ち読みするのは、似ているようでまったく違う行為のようです。

毎日通いたくなるような、私の趣味に合致した書店が近所に欲しい!
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