Un gato lo vio −猫は見た

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太陽を盗んだ男



伝説の映画がスクリーンに掛かると聞き、喜び勇んで出かけました!
ジュリーが主演する「太陽を盗んだ男」であります。

中学校教師のジュリーがアパートの一室で原爆を作り、政府を脅迫するというとんでもないアクション映画。
もうジュリーはやたらと格好いいし、(今となっては)つっこみどころ満載だし、2時間半という上映時間もあっという間。
日本にこんなむちゃくちゃな映画があったなんて!

ジュリー扮する城戸先生の要求が笑えるというか、情けないというか、あっぱれというか。
まず、ナイター中継を最後まで放送しろと脅迫(おかげで王選手の逆転3ラン)したのはいいのだけれど、次の要求が浮かんでこない。

手段は手に入れたけれど、何がやりたいのか分からず、いらだつ城戸。
で、関わり合ったDJから「ローリングストーンズ」来日公演が良いのではないかと提案されて、そのまま要求。
このあたりはいまだに現代的なテーマになり得ますね。

個人的には改装前の神宮球場(多分1塁側通路)が嬉しかった。
それからゾンビ状態の菅原文太はすごかったー。これがいちばんインパクトがあった。
どうすごいのか見てのお楽しみです。

いやあ、あれも言いたい、これも言いたいでどうしたらいいのか分かりませんが、ともあれ、映画館で観ることをおすすめします!
ジュリーのかっこよさに惚れて下さい。

サイトはこちら。

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胸にしみるなあ



昨日のWeekend Sun Shine

2曲目と3曲目はファミリー・ストーンとキャロル・キングの往年のヒット曲。
「昔よく聞いたけれど、最近耳にしなくなった曲がラジオから流れるのはいいものだと思いました」とバラカンさんは語っていましたが、思わず、うんうんと頷きました。

ラジオで聞く音楽ってすごく身にしみるのです。
CDで聴く音楽もiPod経由で車中で聴く音楽もそれなりに楽しいけれど、私の場合、ラジオほど身にしみるということはないのです。

ラジオもチープなほど良い感じがするのだけれどなぜなんだろう?
ステレオでクリアな音より、モノラルの小さなスピーカーからこもったような音で聞こえる方が「ああ、いいなあ」と。

単純に若い頃の音楽体験がそうだったからなのでしょうか。
小さなろくでもないスピーカーだと、その音楽の本質的な部分しか聞こえてこないから、というのは、まあ作り過ぎか。

ともあれラジオの音楽は本当に楽しい。
聴きたくなるような音楽番組が少ないのは残念だけれど……
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ジェラール・フィリップ



「しのび逢い」の女たらしっぷりが気になったジェラール・フィリップの主演作を3本続けて観る機会がありました。
「花咲ける騎士道」「危険な関係」「赤と黒」。

アイドル映画の走りといったらいいのでしょうか、とにかくジェラール・フィリップの魅力全開といった映画ばかりでした。
正統的ないい男で、しかもチャーミング。

「赤と黒」では農家の息子ながら司教の座を狙うという上昇志向むき出しの若者役(ジュリアン)で、出合う上流階級の女性達が一目でぞっこん。
市長の奥さんに至っては夫と子供を捨ててしまうほどののめり込みようです。

男なら腹が立ちそうな役どころですが、ジェラール・フィリップには不思議と嫉妬心が湧かない。
ええ、ええ、違いすぎて比較するのもあほらしいということはあります。
でもこの人は男さえも惹きつける不思議な表情を見せますね。
わずかに感じられる影が守ってあげたくなるというか。

晩年の作品も観てみたくなりますね。
最後までこのノリだったら最高なんだけどな。
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女王フアナ


嫉妬は愛の友達、という格言がスペインにはあるそうですが、人を狂気に追いやるほどの愛とはいったいどんなものなのでしょうか。

数年前に開催されたプラド美術館展で最も印象に残った作品がフランシスコ・プラディージャの「狂女フアナ(Reclusion de la reina Juana en Tordesillas)」でした。

そのときは、なぜ女王が幽閉されたのかという事情は知りませんでしたが、どこかこの世ではないところを見つめるフアナと、鑑賞者を強い視線で見据える娘の姿に胸を突かれるものがありました(あなたのせいよ、と問い詰められているような……)。


この映画は女王フアナが28歳で幽閉されることになったいきさつを描いています。
夫であるフェリペの愛を独占しようとする彼女の行動は行き過ぎ感はあるものの(ピラール・ロペスの鬼気迫る演技!)、一人の人間としては十分理解できる範囲のものです。

ただ、哀しいのは彼女が女王であったということ。
嫉妬に狂うが故に統治者としての能力を疑われ、50年も幽閉されてしまいます。
でもフェリペが浮気性でなかったら、あるいは少なくとも普通の立場の女性であればこんな悲劇はなかったはず。

しかも愛するフェリペは彼女が幽閉される直前にこの世を去ってしまうというのですから、悲劇性はいやが上にも高まってしまうのです。

改めてあの絵を見たくなったのですが、スペインは遠いなあ。

ところで、中世日本の権力者達は側室を持つことが当たり前とされていましたが、キリスト教が一般的なヨーロッパは違ったのですね。
フアナが日本に生まれていたらどうだったのだろう?

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