9月12日にハンブルグでジョン・アーヴィングのリーディングが行われたそうです。
なにしろアーヴィングがいちばん好き! と公言してはばからない私ですがさすがにドイツは遠すぎる。
たまたま現地在住の知人が出かけたそうで、おもしろい話がきけたよ、ということだったので以下、一部を翻訳してみました。
−あなたの小説に登場する父と息子はいつも置かれた状況から逃げようとしますが、それはなぜなのでしょう?
私がこの世でいちばん恐れていることは、誰かが私と息子を殺しに来るのではないかということ。だから物語の中で父と息子は逃げ出してさまざまな体験をすることになるのです。
私には3人の息子がいます。長男が生まれたのは大学生の時で、最後の子はかなり年取ってからの子です。40年以上にわたって家には誰かしら息子がいたわけですが、その中の誰かを失うのではないかと怯えていました。
「Last Night In Twisted River」のカバーに使っている木の写真は大学在学中の末っ子が昨年冬に撮影したものです。写真を撮るため、冬の間2人で何度も出かけたのですよ。
春にもう一度その木を訪ねてみると、かなりのダメージを受けていました。昨年の冬が最後のチャンスだったようです。
−「Last Night In Twisted River」はボブ・ディランの曲に触発されたという噂がありますが?
それは正しくないですね。私は自分の物語は自分で作り出します。ただ、いつも最後の一行が浮かんでこないと物語に取りかかれない。
今回は車の中でボブ・ディランを聞いたあとで、その最後の一行が浮かび上がってきたということす。