Un gato lo vio −猫は見た

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トライネイションズ オールブラックス v. ワラビーズ



サイクルロードレースに気を取られているうちに、トライネイションが最終戦を迎えていました。
3試合の総当たり戦となって初の全勝優勝を目指すのはオールブラックス。対するワラビーズはニュージーランド戦9連敗中で、なんとかホームで一矢報いたいところ。

先日観たサニックスとコカコーラウエストの試合も見応えがありましたが、世界ランキング1、2位の闘いはやはりレベルが違った。

何がすごいって、ラグビーの優劣を決めるのはコンタクトの強いほうがボールを支配できるという単純な事実を最高レベルで繰り広げていたことです。しかも中だるみは一切なし。
単純な事実がもたらす美しさ、そしてパワーとテクニックの粋を心ゆくまで堪能させてもらいました。
(しかし、同じ人類とは思えないな)

長いことゲームを観ていると、ついつい戦術なんてことに気を奪われてしまいますが、行き着くところまで行き着いた男たちの闘いで最後に勝敗を決めるのは、やはりコンタクトの強さなのですね。

そうは言っても戦術が優劣を決めるスポーツも楽しいものです。
戦術のゲームといえば自転車ロードレース。
さて、このあとはブエルタの山頂ゴールが待っています。
今夜は眠れそうにありません。
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バグダット・カフェ

 

前半と後半で随分と印象の違う作品でした。途中で監督が変わったのかと思うくらい。

夫とけんかの挙げ句、砂漠の真ん中に置き去りにされたジャスミンが「バグダット・カフェ」にたどり着き、そこでオーナーのブレンダに受け入れてもらうまでは実にスリリング。

印象的な構図や、はっとするような色使いはもちろんなのですが、特に日々の暮らしのストレスで怒鳴り散らしてばかりいるブレンダと、ほとんど口を開かないジャスミンの対峙が生み出す張り詰めた緊張感。これが期待感をあおります。

砂漠の真ん中にひとり現れたドイツ人、ジャスミンの存在は図らずもアメリカ文化を相対化してしまいました。たぶんブレンダがジャスミンに苛立ちを覚える原因の1つはそこにあったと思います。
自分には全く理解できない価値観に恐れを感じたのでしょう。

前半の緊張感が持続することを期待していると、後半は肩すかし。
ジャスミンがカフェに集う人々を結びつけ、怒濤のハッピーエンドになだれ込んでいきます。

「仲が良すぎるから」と言ってカフェを去っていくのはモーテルでタトゥー商売をしてたデビー。
彼女の気持ちは分かるような気がします。

もう少し破綻があった方が映画としてはおもしろいかも、と思いますが、このへんは好みの分かれるところですよね。
でもハッピーエンドがが映画を損ねているということはないのでシニカルな人もご安心を。

挿入歌「コーリング・ユー」も印象的でした。






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