Un gato lo vio −猫は見た

映画やらスポーツやら小説やら、あれやこれや。
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ヴィノクロフ 来たー!

 終盤ヴィノクロフが抜け出してきたとき、目を疑ってしまいました。
コンタドールのアシストじゃなかったのか!

それにしても嬉しい!
いや、そりゃーいろいろありました。
ランスの復帰とは全然意味が違うから、祝福できないという人も大勢いて当然でしょう。

でも、(おそらく)己の良心の呵責に耐え、世間の冷たい視線を糧として復帰してきてくれたことが素直に嬉しい。
今の段階で素直に尊敬はできないけれど、愛してしまったのだから仕方ないんだ。

今のレース界、走る姿で人を感動させられる選手はそうそういません。
過去になんど泣かされたことか。
また、あの魂の走りを見ることができるのかと思うと、がぜん今年のレースシーンに興味がわいてきました。

できればグランツールはコンタドールと分け合って出場してほしいなあ。
ヴィノがエースとして走る姿を見たい!

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写実の夢 橋本直行展

 

若い頃から確かな技術で写実にこだわってきた橋本直行さん。
地元新潟の砂丘館で1ヶ月にわたる個展を開催中で、本日は館長で美術評論家の大倉宏さんとトークショーを行うということで出かけてきました。

自分の心に触れる風景を中心に描いてきた橋本さんは、今、転換期を迎えているのかもしれません。
最新作の「落雷の図」「竜巻の図」は琳派の名作「風神雷神図」から構想を得た作品で、写実の技量を生かして自らが「見たい・見せたい」と思う風景を作り上げたということです。
また、海へ向かう月光の道を描いた「満月」は、昼間見た光景に満月の夜を重ね合わせてみたそうです。
光を浴びてほの白く輝く雲に作家の心象を見ないわけにはいきませんでした。


「過度の物語性は苦手」と語っていた橋本さんですが、自分の心の内を見せはじめた最近の作品には、あきらかに物語の気配が漂っています。
人の姿はないけれど、そこに感じられる作家の存在はずっと濃くなってきました。

私はこの変化が橋本さんをさらに一歩高いところへ導いていくような予感がしてなりません。

現在2カ所で個展を開催中です。

砂丘館 5月23日まで
Full Moon 5月2日まで


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ロスト



猫好きの皆さん、知っていましたか?
なんと世の中には指が6本ある(1本多い)猫がいるのですねえ。しかもあまり珍しくないみたい。

この本は、迷い犬、迷い猫、迷い鳥(そして迷い牛)を探して下さい、という貼り紙を世界中から集めたアイディアもの。
ペットを可愛がる飼い主たちの愛情がひしひしと伝わってきます。

驚いたのは、先に書いた6本指の猫。
「うちの猫は指が6本あるので、すぐに分かります」という例が1件や2件ではないのですよ。

そしてもう一つ、アメリカの治安の悪さには今さらながらびっくりです。
「カージャックに遭ったときに(あるいは、車を盗まれたときに)一緒に連れて行かれました」
こんな状況も全然珍しくないようなのです。

アメリカで暮らすペットたちは大変なんだなあ。

JUGEMテーマ:読書
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ベラスケス 日曜美術館



絵画の前に立つとき、何の予備知識もなしに無心に向き合った方がいいのか、それとも作家の生涯や物の考え方を知った上で向き合った方がいいのか。
少し悩ましい問題なのですが、ベラスケスについて言えば、その出自と嘘をつき通したという事実が絵画の見方をより多面的にしてくれたと思います。

中世ヨーロッパにおいて弱者をモデルに選び、そしてその内面を恐ろしいまでに描ききった動機が自分の出自のせいだったかもしれないなんて、目から鱗。
そう思うと確かに得心がいくし、モデルはもちろんベラスケス本人にも愛おしさが募るのでした。

セバスティアン・デ・モーラの肖像を数年前に見る機会がありました。
気高い精神を映し出すその表情は予備知識がなくても人の心を揺さぶるものでしたが、新しい事実を知ったことでどのように見えるのか、また向かい合ってみたいものです。
日曜美術館(今日の姜さん) | permalink | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |