Un gato lo vio −猫は見た

映画やらスポーツやら小説やら、あれやこれや。
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iPodにひそむ小さな人



テレビジョンが初めて登場しところ、箱の中に小さな人がいるんじゃないかと裏側をのぞいた親父のことがよく笑い話に出てきます。
そりゃ、不思議ですよね。その気持ちはよく分かる。

というのは、いつもお世話になっているiPod。
普段はシャッフルで聴いているんだけれど、選曲が絶妙すぎる。
11月も半ばを過ぎると、不思議にクリスマス・ソングの頻度が上がることは気づいていたのだけれど、まあ、そういうプログラムなのかな、と思っていました。

ところが、今度はこの1週間、妙にマーラーばかりが流れてくる。
そして今日、演奏会に向かう車中、これまで一度も流れなかった3番の第1楽章が流れてきました。
「またマーラーか、3番は初めてだな」と思いつつ、そのまま演奏会へ。

で、その演奏会のプログラムを開いてびっくり。メインのひとつが、この3番の最終楽章じゃないですか!
うーん、偶然といえばそれまでだけど、確率は1/6000なんだよなあ。

なんだかiPodの中に、私の音楽の好みと世間の情報に熟知した小さな人がひそんでいるんじゃないかと、つい裏側をのぞいてしまったのでした。
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トリコロール 白の愛


JUGEMテーマ:映画

いやあ、私にはドミニクもカルロも過激すぎるように思えるのですが、愛が憎しみに変わるって、そういうものなのかなあ。

性的不能を理由にカルロを文字通り鞄一つで放りだしたドミニク。野良犬をシッ、シッと追いやる勢いなんです。
失意のカルロは故国ポーランドに密入国し、やり直しを図ります。
事業を興して成功するのは、すべてドミニクの愛を取り戻すため。

それでも彼女はカルロを相手にしません。
カルロはそこで一計を案じるのですが、これがとんでもない裏切り。
ドミニクの行方やいかに……

カルロにしてみれば、「俺が味わった苦しみをお前も味わえ」ということなのかもしれないし、ドミニクを犯罪者に陥れることで自分一人のものにしたかったのかもしれない。

いずれにしろ、この屈折した愛には強靱な精神力と体力が必要。
やせぎす東洋人の私にはとても真似できないなあ。

口笛、指笛、草笛といろいろありますが、理容師のカルロは櫛にハンカチを巻いて吹いておりました。
理容業界では当たり前の技なのでしょうか?
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パリ、テキサス



誰にも非はないのに、誰もが傷ついてしまう。
なんて哀しいのだろう。

弟夫婦が育ててくれた息子ハンターと4年振りに再会したトラヴィスは、去っていった妻ジェーンを二人で探しにでかけます。
果たして、ジェーンは二人の元に戻ってくるのか……

トラヴィスの思いがけない登場によって、彼に関わる人たちは自分の気持ちを再確認させられます。
ウォルトとアンの弟夫婦は、ハンターを実の息子のように愛している。
ハンターは血が水より濃いことを知ってしまう。
ジェーンは自分が母親であることを再確認し、トラヴィスはそれでも三人が元には戻れないと気づいてしまう……

本当の物語はこの先、この映画を観た人の心の内で再開されることになります。
いつまでも余韻が消えません。
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