Un gato lo vio −猫は見た

映画やらスポーツやら小説やら、あれやこれや。
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やわらかい手



マギーは難病にかかった孫の手術費用を工面するために、風俗店で働くことに。
それまで彼女の人生は、実に平凡なものでした。なんの取り柄もなく、他人の評判を気にしながら過ごすだけの日々。

マギーは次第に変わっていきます。
表情からは伺えませんが、少しずつ自信を得て、自分の思うままに人生を歩み出そうとします。
いちばんの売れっ子になってしまったこと、そして、店のオーナー、ミキとの間に芽生えた感情が彼女を大きく後押ししているようでした。

「おれは、どうしてしまったんだ? どうしてあの女が気になるんだ?」と言いたげなミキの表情や仕草がとても愛らしかった。
「おれは君の歩き方が好きだ」だなんて、的外れな台詞もよかったし。

そして、なんといってもマギー役のマリアンヌ・フェイスフル。
波瀾万丈の人生を送ってきた彼女が、こんな地味な役をこなしているなんて、それだけでもある種の感慨を持ってしまいますね。

ちなみにマリアンヌは「ふーじこちゃん」のモデルだったとか。

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京劇は歌舞伎か?「水滸伝」


思いがけず京劇を見る機会に恵まれました。
国家京劇院の「水滸伝」。
そもそも舞台で演じられる「劇」を観るのはこれが初めてなので、楽しめるかなあ、とちょっと不安でありました。

杞憂でしたね。
メーク、衣装、立ち回り、音楽、すべてがど派手な大エンターテイメント。
「派手な衣装で体操の床演技やフィギュア・スケートをやっている」と言ったらほめ言葉にはならないかもしれませんが、まあそんな感じです。
はっきりいってストーリーはどうでもいいですね。
圧倒的なパワーにおぼれてしまいましょう。

素人目には、これが歌舞伎のルーツなのではないかと感じられます。
隈取りをしたメークなんてそっくりだし、見得を切ってみせるところも同じです。
大向こうから「よっ、○○屋!」とかけ声がかかってもおかしくないですね。
寄席の神楽で見せるような曲芸も目を楽しませてくれます。

最後は大勢の観客が立ち上がって拍手をしたり、舞台に向かって手を振っていました。
新潟の人はおとなしめな人が多いのですが、恐るべし4000年のパワー、でありました。




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アンブロークンアロー

10年振りのシリーズ3作目。異星体ジャムとの戦いは、もはや哲学的な思考なしには考えられない領域へと展開してしまいます。

 

「世界とはなにか、自分(という意識)とはなにか」を常に問い続けてきた神林長平ですが、今作ではその問いが一歩踏み込んだもの、あるいは再構築を迫るものになっています。

 

「自我」と意識はどのような関係なのか。そんな疑問が頭に浮かんだことすらないけれど、「自我」は無意識を含む意識の代理人に過ぎず、しかもすべてを把握しているわけではない、と著者は読者を脅します。

 

戦いを通して(戦闘シーンなんて無いんだけど)、主人公のひとり、零の世界観が変化していく様はなかなか刺激的でした。そして、ラストシーンの息をのむような美しさには意表を突かれた。あらたな世界観を獲得した零と雪風の今後にますます期待が膨らみます

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浮かれ黄蝶 御宿かわせみ

 

いつかは終わりがくると分かっていたけど、とうとう本当に終わってしまった。
もっとも単行本の方は3年前に出版済み。
既に「東京」を舞台にした新シリーズで東吾や源三郎の息子たちが活躍しているらしいのですが、最初に手にしたのが文庫だったので、最後まで文庫で楽しみました。

最後の物語は、これまで語られなかったるいの過去が明かされています。
なぜ、るいは市川に預けられていたときの記憶がないのか。
意外な事実にるいも読者である私もとまどうのでした。

東吾は幕府の船を大阪へ廻すために航海中。
常より長い不在がるいの心に影を落としています。

まもなく江戸は未曾有の混乱に巻き込まれることになります。
そして、この二人とかわせみを取り巻く人々の行方を暗示するかのような物語の終わり方。ああ、なんだか心配だ…

シリーズ最初の「御宿かわせみ」を手にしたのは1984年10月のこと。
生協の書店で見つけたときのことは印象に残っています。
25年間本当に楽しませてもらいました。感謝。
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う・リーグ 番外編



「ウ・リーグ」の全国大会が終了したばかりですが、リーグ発案者の椎名誠さんが館長を務める「ビュー福島潟」のお膝元、新潟市は豊栄で発作的に番外編が行われました。
前夜祭の盛り上がりでヨロヨロするおじさんの姿も見られましたが(私ら)、11チーム100名以上の参加で、いやあ盛り上がった。

椎名さんは65歳を超えてるはず。
でも、相変わらず鍛えているようで、ホームランを何本もかっ飛ばしていました。
すげえ。


でももっとすごいのは、椎名チームの女性ピッチャー。
ノーワインディングアップから繰り出されるオーバースローは、時速110キロ(推定)!
漁網に使う浮き球ですよ。信じられない。
世の中は広い、と実感する秋の最後の日でありました。

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