1Q84 その2
ようやく読了です。
続きが待たれますね。もちろん出ますよね、村上さん? この物語はもっと語られることを望んでいるのですから。
さてさて、人生の先輩である村上さんにあれこれ言える立場ではもちろんありませんが、私なりの感想を。
村上さんは、いよいよ社会に深く(ご本人がよく使う言葉を借りれば)コミットしていくことにしたのでないでしょうか。
もう傍観者、冷静な観察者でいることから一歩、あるいは十歩踏み出して、作家としての責任を引き受けるよと語っているように感じます
ページをめくるたび、この「1Q84」は過去の村上作品の総決算なのかもしれないと思ったりしました。
物語の進み方は「…ハードボイルドワンダーランド」の変則バージョンのようだし、世界は一つではなくみかけとは違うし、善悪は人々の思惑を超えて存在するし、鼠にまとわりついた「羊」が形を変えてよみがえったようでもあるし。
でも相変わらず傍観的だった天吾くんに最後にこんなことを言わせます。「いつまでも怯えた子供のように、前にあるものごとから目を背けて生きていくことはできない。真実を知ることのみが、人に正しい力を与えてくれる」
総決算はもう少し続けてもららうとして、(早く書いてほしい!)その後の作品、その後の村上さんの振るまい方にさらに期待が高まる読後です。