Un gato lo vio −猫は見た

映画やらスポーツやら小説やら、あれやこれや。
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加山又造と横山操-新日曜美術館



情熱の作家は誰だと問われれば、横山操、加山又造の名前を挙げないわけにはいきません。
横山操の作品からは生命そのものが噴出し、加山又造からは美を追究する執拗なまでの情熱がにじみ出ています。

この二人の作品の前に無防備で立つことはとても危険。
うっかりしようものなら、その情熱に魂を奪われ、どこかへ連れ去られてしまうような恐ろしさを感じます。
強い意志を発動しなければ目を離すことすらできなくなるのです。

力強い作家は昔から大勢いると思いますが、横山操はとにかくその力が群を抜いて圧倒的。
そして加山又造は美しさを兼ね備えている点で他とは一線を画しているように思います。

テレビの画面越しでも魂を奪われそうでした。
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みのたけの春

JUGEMテーマ:読書


志水辰夫はやっぱり時代物が合うようです。

たまたま2冊を続けて読みました。
現代ヨーロッパを舞台に、対立を止められない悲しい人間の性を描いた「約束の地」。自分の信じる道を愚直に進む幕末の農民を描いた「みのたけの春」。

志水辰夫の描く主人公たちは恐ろしいほどまっすぐ。彼らは自分が正しいと思うことをなにがなんでも貫こうとしますが、それが現代日本を舞台にするとどこか違和感があるのです。もはやこの国にはそんな人が稀だからなのかもしれません。

ところが、過去に舞台を移すと同じようなことばや、同じような生きざまがよりいっそう胸を打つのです。
身分制度に縛られ、基本的な自由がない状況にあるからこそ、かれらの信念が尊いものとして感じられるように思います。

志水さんにはこのまま時代小説で思いきり筆をふるってもらいたいです。
現代では存在しえないほど頑固で正義感に溢れた人物を生み出し続けて下さい。

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飛彈野数右衛門-新日曜美術館



知らない町の、知らない時代の、知らない人たちのスナップなのに妙に懐かしくて、いつまでも眺めていたい気分です。
笑顔の写真っていいですよね。

飛弾野さんは写っている人たちにプリントを渡して喜んでもらうことがなにより嬉しかったとのこと。その気持ち分かります。私も誰かに喜んでもらえる写真を撮りたいものだ、と思うのでした。

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ベリッシマ

JUGEMテーマ:映画



けんかの絶えない家庭はイタリアのアパートに引っ越すことをおすすめします。

ひとたび騒動が持ち上がれば、アパート中のおばさんが部屋に押しかけてくるんです。
ビヤ樽のようなおばちゃんが10人以上もやってきて、機関銃のようにまくし立てれば、とても悠長にけんかなんかしてる場合じゃなくなるってなもんです。

バレエの先生が急に関西弁でまくしたてるんですけど、(「この娘は、まだねんねやねん」「一にも二にも練習っちゅうこっちゃ」)、みょうにマッチするんですわ。
泣いて笑ってけんかして、これ、イタリア版吉本新喜劇です。

まあ、それにしても女性たちの喋ること喋ること喋ること喋ること。
イタリアの男性にはご同情申し上げるのであります。
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