空中スキップ
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少しずれたバドニッツの世界。そこに引き込まれながら、妙になじみがあるな、と記憶をたぐると、そうだ、村上ワールドに雰囲気が似ているのでした。現実がどこかでねじれている世界。それをなにごともなく受け入れる登場人物たち。
村上ワールドから生還すると、解決できない疑問や、納得のいかないしこりが残ってしまうのですが、バドニッツのこの短編集はあっけらかんとした語り口で(翻訳の技ですね)、異常な出来事を異常と感じさせず、そんなこともあるよな、と納得させてしまうところが違います。
「カンガルー日和」や「夜のくもざる」が好きな人にはおすすめです。
世界は見た目どおりではないのです。