Un gato lo vio −猫は見た

映画やらスポーツやら小説やら、あれやこれや。
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ハーフ・ア・チャンス



アラン・ドロンとジャン=ポール・ベルモンドが「ボルサリーノ」以来の競演。ふたりの前に「あなたたちのどちらかが私の父親」と名のる少女が現れ、やがてロシア・マフィアと警察に狙われる三人の運命やいかに! というアクション映画。
60歳を超えたふたりの渋さ、若々しさ、そしてユーモアが際だっていましたよ。あとの出演者はみんなおまけみたいなもの。ふたり揃うと、もうそこだけ雰囲気がぱっと明るくなって、他の出演者が気の毒というもの。
「ボルサリーノ」のテーマ曲がさりげなく流れたり、ヘリコプターでぶらさがるベルモンドに向かって「あいつはあれが好きなんだよ!」とドロンに言わせたりと、過去の出演作を知っている人たちへのサービス付き。

このところ立て続けに格好いいおやじたちを目撃して、あんなふうに歳を取りたい!と願うのですが、この映画のふたりとは元が違いすぎるなあ。
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一週間のご無沙汰でした

久しぶりに末広亭に足を運びました。2,700円で半日遊べるなんてお得な娯楽です。この日は夢楽師匠を偲ぶ会ということで一門の芸人やゆかりの人たちが勢揃い。

そして中入り後の座談会でサプライズ。白髪で柔和な笑顔、グレーのスーツ姿に背筋をぴんと伸ばしたその人は「一週間のご無沙汰でした」玉置宏さん。

ラジオ番組でその博識ぶりに驚かされていましたけれど、現役芸人が質問をするくらいの生き字引。そして、やっぱり話がおもしろい。

「玉置さん、このあと一席やってくださいよ」と夢太郎に乞われて「いやいや」と手を振ったのですが、その後高座に再登場。
どよめきましたね、客席が。

そして村田、三波、三橋の三人が人気絶頂の頃の裏話を披露してくれました。話しぶり、受けた拍手、共にこの日いちばんでありました。
いやあ、あこがれますね。
年寄りになることと年齢を重ねることはまったく別物なんだなあ。
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野球場の幸せ



地下鉄の駅を出て野球場に急ぐ。近づくにつれて少しずつ応援の音が大きくなってくる。そして歓声。ああ、どちらのチームがチャンスなんだ? 早く早く、球場へ向かう足は駆け足になる。焦る気持ちをなだめて売店でビールを買い、そしてスタンドに入る。
この一瞬はなんど体験しても心が躍る。夜の闇に突然広がる光の洪水。響き渡る声援。そして眼を射るグラウンドの緑。一瞬にして日常の雑事は消え失せ、球場に詰めかけた観客との一体感に包まれる。振り返ったスコアボードでひいきチームがリードしていたらさらに言うことはない。
野球場で観るプレーはテレビの画面で見るものとはまったく違う。ピッチャーの投げるボールは恐ろしく速いし、打球は鋭い。選手の肉体の存在感は圧倒的。プレーを観ながらいつも思う。ああ、ここはなんて楽しいんだろう。そしてここで飲むビールはなんてうまいんだろう。
試合が終わった後の帰り道もいい。ひいきチームのユニフォームを着ているそれぞれのファンが混じり合って夜の杜を歩く。試合を振り返って喜んだり嘆いたり、あるいはぜんぜん関係のない話題に興じたり。
一年に一、二度しか行けないことが残念です。

スワローズファンの方だけに。
グライシンガーはやっぱりすごい。140km/hのボールがとてつもなく速く見えます。チェンジアップが利いているんですね。田中浩康、彼は将来中心選手になりますよ。宮本の若い頃を思い出します。守備はほれぼれします。宮本、本当に難しい打球を軽々とさばくプロ中のプロです。点差が開いているときの木田はのびのびと力のあるピッチングでした。手を振る古田は心なし寂しげに見えましたけどね。
関根潤三さんもみかけました。スーツをびしっと決めて隆とした姿はさすが元スポーツ選手。かっこよかったです。
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スーパーサイズ・ミー



1ヶ月マクドナルドのメニューだけを食べ続け、極力運動しないとどうなるか? 簡単に予想はつきますけど、本当に実行して映画にしてしまうところがえらい。深刻にファストフードの弊害に警鐘を鳴らしても受けは良くないだろうけれど、このフィルムのようにユーモラスだと逆に有効ですよね。
すぐれた商品を作ってその結果「儲かる」のはなんの問題もないと思いますが、「莫大に儲けるための」商品を作るという態度は好きになれません。タイトルロールで流れる曲は「super size is an American way」と歌っていますが、後者のような企業態度を正に言い表しているように感じます。

自ら実験を行った監督は1ヶ月で見事11キロ太り、あらゆる内蔵と精神が悲鳴をあげました。そして元の体重に戻すのは半年以上。悪徳のささやきに負けると哀れな末路が待っているのですね。くわばら、くわばら…
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「ハイペリオン」4部作




「本の雑誌」で過去30年間に、もっとも絶賛された小説の1つが本4部作です。椎名誠も、大森望も、鏡明も手放しでほめちぎった記憶があります。

それなのに、カバーのイラストが気に入らないというだけで手に取らなかった私は大ばかものでした。次の「イリアム」シリーズも大評判なので、その前にハイペリオンと決着をつけなければ…と、ようやく手に取ったのですが、確かに「SFのすべてがここにある」(椎名)、「四部作全体としてはやはりこの十年のSFの最高峰でしょう」(大森)という評通り。
トータル2,000ページ以上の2段組もあっというまに読了。寝食を忘れて読みふけるとは、まさにこのことだな、と思いつつ、ひたすら遙かなる未来の物語に身を任せましたよ。

ああ、それにしても、人はいつ死ぬか分からないから毎日を生きていけるのだし、最愛の人といつ別れるか分からないから共に暮らしていけるのです。
期限をきっちり区切られた二人は「生の一部において、時間も空間もなく、誕生も死もなく、くることもいくこともない世界に生きられる」ことを悟って互いを永遠の中に慈しむのでしょう。でも私がこの立場に置かれたら、正気ではいられないと思うし、別れの日を思って毎日を心から楽しむことはできないだろうな。

私のお気に入りは惑星「天山」のエピソード。主人公たちを追ってきたムスタファ枢機卿と天山の法王、8才のダライ・ラマの世界観を巡る議論は白熱し、知的好奇心を満足させてくれるものでした。交通機関をあえて発達させないこの星を舞台にした続編を書いてくれないかなあ。


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そば屋の幸せ 2



あこがれの蕎麦打ち名人と酒席を共にするという幸運に恵まれました。今、おそらくいちばん行列ができてしまう方で、全国に熱心な支持者を持っています。
テレビや写真などで拝見すると「気むずかしい職人」のように感じられるのですが、実際はとても親しみやすいお人柄です。そしてわたしたちの投げかける素人くさい質問にも丁寧に答えて下さいますし、でも自慢はしないという大人でありました。本当の一流は、みな謙虚ですよね。技術をとことん探求し続けるという行為は、同時に人としてのありようも模索させるのだろうと想像させられました。
若い弟子たちとの会話もきさくで気取ったところがありませんでしたし、技術は隠さずすべて教えるという方針は名人の人としての余裕を感じさせるものでした。

驚いたのはボーリング。
酔いにまかせてレーンに足を運んだ私たちは、「何年ぶりかな?」と首をひねる名人のプレーに仰天することに。な、なんとフィフス(というのかな?)を含み10フレームまでノーミスの250点台をたたき出してしまうのです! 2位とはダブルスコア。うーん、一芸を極める人はなんでもできてしまうのですね。

こんな幸運に恵まれたのも件のそば屋さんのおかげです。
実は店主は名人の弟子。私たちのような「飲んだくれ」のお客を同席させてもらって感謝!
そして新潟の皆さん、ここの蕎麦がうまいにはわけがあったのですよ。
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ワールドカップ:ラグビー

いよいよ始まりました。
06-07シーズンの南アフリカの強さが本物なのかどうか、ニュージーランドが下馬評通り突っ走るのか、興奮してきます。
優勝の行方はひとまず置くとして、まずは予選リーグ、われらが日本代表の活躍が期待されます。カウワンさんは「スピード勝負」を打ち出していますが、実際のところワールドカップに出場する各国代表のスピードは日本以上ですよね。では、「ブレイブ・ブラッサム」はなにを以て闘うのか、というとやはり「金田正一」式「根性」になってしまうのでしょうか。根性ということばが適当でなければ「チームとしての意思の統一」と「モチベーションの維持」。
 アジア代表との壮行試合を観ました。元日本代表たちの気迫あふれるプレーは心を揺さぶるものでした。伊藤の突進、広瀬のキック、元木のディフェンス、坂田のスクラム。テストマッチ並みの迫力でした。それは、日本代表のチーム力を向上させるために、長所と欠点がすべて曝されるような試合をするんだという彼らの熱い気持ちが表れていたからでしょう。
この熱意を受け止め、他の代表チームを上回る意思の高さでぜひ一勝をあげてもらいたいものです。
まずはオーストラリア戦。
応援しますよっ!
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iPod touch

ああ、やってしまいました。購入ボタンを「ぽちっ」。
今朝からいったいどれほどの人が「ああ、だめだー」とうめきながら購入ボタンをクリックしたことでしょう。
いいようにAppleにあやつられていますが、どうしても手にして触ってみたくなりますよ、これは。だって、もう単なる音楽プレーヤーの域を超えて小さなMacですもん。スクリーンの動きにも魅了されます。
知り合いものきなみクリックしていました。
ははは…

せっかくネットに接続できるのですから、日本でも無線LANを無料で利用できるようになってほしいですね。
それにしても、おそるべしApple。


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