ウルリッヒを引退させてもよいのか?
本格的なシーズンを前に残念なニュースが飛び込んできた。
ヤン・ウルリッヒが引退。
本意ではないだろう。世間の中傷がほとほと嫌になったのではないか。一ファンとしても悔し涙がこぼれる。
ツールで初優勝後、常に表彰台の真ん中に立つことを期待されながらランスの後塵を拝した。何年も続けて表彰台に登ることは素晴らしいことだ。たとえそれが真ん中でなくとも。それなのに母国でさえ、勝てないことを非難する声が大きかったそうだ。
最悪なのは昨年のオペラシオン・ブエルト。あれはなんなんだ、いったい。表舞台で輝く者を引きずり下ろそうとする妬みなのか。話題を作って目立ちたいだけなのか。真相は藪の中、ウルリッヒがいちばん割を食ってしまう形になった。
彼がドーピングに係わっていたのかどうかは分からないけれど、捏造された事件で大きな才能を失ってしまったことは悔やんでも悔やみきれない。
自転車ロードレースは大好きだけれど、その周囲をとりまく関係者やマスコミには腹が立つことが多い。もっと大人になって、ファンが心から楽しめる環境を作る責任がある。目立ってもいいのは選手だけなのだ、というあたりまえのことを認識して欲しい。
せめてもの救いは、彼がレース界に残ってくれることだ。今度はチーム運営者として素晴らしい選手を送り出してくれることを期待します。さよならウルリッヒ。