恋いちもんめ
あと10数ページで結末、というところで急用が入り中断させられています。お初と栄蔵の行方がいよいよ決まるというところなのに。辛い。早く続きを読みたい。
お初は小さい頃、「あんまり大切にしすぎると、するりと逃げだしてしまうんだよ」と母親から聞かされました。本当にそうですよね。大事に大事に守ったものほど、あっけなく消え去ってしまいます。「二番手か、三番手と一緒になる方が案外うまくいくらしいぜ」と父親は慰めますが…
わたしが傍にいたら、お初には意地を張るんじゃないよ、ぜったいに、うんと返事をするんだよ、と説得するのですが。
「青が散る」のラストシーンを覚えていますか? 「傷ものはいや?」と訊いた夏子に燎平は返事ができずに終わってしまうのです。二人とも哀しすぎる幕切れでした。つまらない意地など張らずに想う相手を抱きしめてやってほしい。お初よ、わかったかい。