Un gato lo vio −猫は見た

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誰もがそれを知っている   アスガー・ファルハディ

妹の結婚式に出席するため、アルゼンチンからスペインの小さな村に里帰りしたラウラと子どもたち。お祝いムードに浮き立っていた一家ですが、パーティー中に娘のイレーネが誘拐されてしまいます。その場の状況から犯人は身内か親しい知人と推測され、小さな村は疑心暗鬼に陥ることになるのでした。

 

タイトルが示す公然の秘密を推測することや、犯人捜しが映画の主題ではありません。誰もが知らないふりをしていた事柄を当事者同士が口にすることで、一見調和が保たれていた家族や村の関係にひびが入り、事件に係わった全ての人たちは傷を抱えながらの再出発を余儀なくされてしまうのです。私たちの平穏な暮らしは実にもろい土台の上に成り立っているという認識を緊迫感のある画面が要求します。

 

誰もが知り合い同士であるという狭い共同体は、ハレの席で一体感のある盛り上がりを見せる反面、恨みや嫉妬などが根深くいつまでも消えないという息苦しさがつきまとう。そのような背景の見せ方が舌を巻くほど巧みでした。俳優もその舞台に溶け込み、過剰な表現ではないにもかかわらず、説得力のある演技を見せていました(パコ君、気の毒すぎます…)。

 

時々こういう作品に当たるから映画館通いが止められないんだなあ。

 

公式サイトはこちら

 

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