Un gato lo vio −猫は見た

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かくも長き不在   アンリ・コルビ

パリ近郊でカフェを営むテレーズ。バカンスを控えて暇になった店の前を見知らぬ男が通りかかるようになります。「セビリアの理髪師」のアリアを口ずさみ、警官を怖がる様子を見た彼女は、その男が16年前に強制連行されたまま所在不明の夫ではないかと期待をかけるのですが、彼は記憶を失っており、自分が何者なのか定かではありません。

 

テレーズは男を何度も自宅に招き、記憶を取り戻すよう手を尽くしますが見込みはなし。食事を終えた男が雨の夜道に消えようとしたとき、テレーズはその背中に向かって夫の名前を連呼するのでしたが……

 

テレーズがジュークボックスの音楽をかけながら二人で穏やかにダンスするシーン。回した手が男の後頭部にある大きな傷跡に触れた時、彼女はおそらく彼の記憶が戻らないことを悟ったのだと思います。

 

私がカフェの常連の一人であったなら、彼を正体不明の男のままに受け入れ、新たに連れ合い同士として出発したらどうかと提案したいです。その男が夫なのか他人なのかに関係なく、テレーズは既に彼を大切な人として扱っているのですし、これ以上せっついて逃げられてしまっては元も子もありません。
あいつの正体なんてどうでもいいじゃないか、気になるんだろう。しっかりつかまえなよ。

 

そして気の毒なのは、常連のトラック運転手。彼はテレーズに気があるにもかかわらず、正体不明の男に心を奪われた彼女に最後まで親切です。いい人は報われないのだなあ、やっぱり。

 

自転車レースファンとしては、おやじ達がカフェに集まり、ツール・ド・フランスのスタートからラジオにかじりついて盛り上がっている様子や石畳の通りが興味深かった。パリ祭後にツールマレーを通過するステージという設定でした。男がドイツ軍のパリ占領中に連行されたという前提で調べてみると、57年7月16日の第18ステージが該当するようです。まあ、映画ですからそこまで事実に基づいているかどうかは分かりませんが、調べてみるのも楽しかった。

 

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