Un gato lo vio −猫は見た

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ハッピーエンド

端から見れば、裕福でうらやましくなるような生活を送る建設会社社長一家。しかし、普通の家庭と同じようにさまざまな問題を抱えています。

現場の死亡事故、跡取り候補である長男の無能さ、2番目の妻と共に実家に同居する社長弟の不倫、高齢になった前社長の認知症(の振り)。そして幼い姪が抱える心の傷。

みんな大変だけど、よくあることだな、そう思った私の心を見透かしたかのように、老父が姪に言います。
「庭で大きな鳥が小さな鳥を捕まえて食い殺した。テレビで見ていたらこれも自然の摂理だと理性的に納得できたはず。しかし、現実にこの目で見ると震えるほど恐ろしかった」

観客である私はスクリーンで起きる出来事を理性的に納得しながら見つめています。この映画でも「よくあることだ」と、この家族の問題を一般化しています。しかし、当事者がその悩みを一般化することは難しく、たとえ可能だとしても、「心が震えるほど恐ろしい事実」が消えるわけではありません。

現代人の多くは携帯電話を有し、そのカメラレンズを通して世界を認識する機会が増えています。しかし、レンズを通すことでスクリーンに映る出来事を極度に客観視してしまい、心震わせる人の気持ちをくみ取ることができなくなっている。

媒体を介さずに現実に向き合えば、さまざまな問題を「ハッピーエンド」に終わらせる可能性がある、監督はそう訴えているのかもしれません。

もし、そうであれば、この作品は映画を否定する映画と見ることもできます。

 

公式サイトはこちら

 

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