Un gato lo vio −猫は見た

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楽園のカンヴァス  原田マハ

アンリ・ルソーの大コレクターであるバイラーは死期を悟り、所有する大作を世界的権威に鑑定依頼して優れた講評を述べた人物に取扱権を譲渡すると決意。選ばれたのはMoMAアシスタントキュレーターのティム・ブラウンと新進気鋭の研究者、早川織絵。

真贋の判定方法は、7章からなる書物を毎日1章ずつ読み進めるという奇妙なもの。MoMA所蔵「夢」に酷似した「夢を見た」は果たして本物なのか、いずれが勝者となるのか、そして譲渡の意図は。

ストーリー展開のスリリングさもさることながら、作者の絵画作品に対する姿勢が興味深かった。作中の主要人物は何百時間も一つの作品と対峙し、作家の意思、情熱を探り当てようとします。もちろん、原田さん自身も同様か、それ以上の熱意を持って対象作品に向かい合っているでしょう。1つの作品からこのような物語を紡ぎ出すほどなのですから。

新しい視点を与えてもらえるとはなんと楽しいことだろう。私自身も「日曜画家」レベルじゃないの? と見ていたルソーに対する別な視点を教えてもらいました。

そして、他の画家に対しても柔軟な心、素直な気持で作品に対峙したいと思いますね。これまで、原田さんや、作中人物と同じように、とことん絵画作品に向き合ったことはなかったなあ。

作中に現れるルソーの物語だけを独立させ、細部をもっとふくらませても興味深い作品になりそうです。

 

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