Un gato lo vio −猫は見た

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瘋癲老人日記

恐ろしい、いや、たいしたジジイだ。息子の嫁に脚を舐めさせてもらって大興奮だもんなあ。血圧が上がってこのままでは死ぬと危ぶみながらも、いやそれでも構わないとむしゃぶりつくんです。

このジジイは77才の卯木督助老。左手先は神経痛で動かず、脳溢血の影響で歩行に支障を来し、性的には完全に不能。それゆえ、異常性欲が昂進し、若い肉体に一層執着するんですね。
もはや、家族全員の知るところとなってもいっこうにお構いなし。谷崎の他の主人公同様、マゾヒスティックな喜びにひたすらおぼれ続けるのでした。

死してなお、嫁の颯子(さっこ)の足蹴にされたいと願い、彼女の足形を仏足石にした墓石を作ろうと目論むくだりはすごいのひと言。
死後、颯子の仏足石に踏まれながら「痛い痛いと叫び、痛いけれど楽しい、この上なく楽しい、生きていたときより遙かに楽しいと叫び、もっと踏んでくれ、もっと踏んでくれと叫ぶ」のだとか。

谷崎小説にだいぶ洗脳されてきたのか、このジジイに嫌悪感を感じないどころか、最も親しみを感じますね。
異常に見えるけれど、みんな人に言えない闇を持っている。この老人の場合はそれがひときわ強烈な性欲だったということ。
それを、恥も捨て去り、開き直ってとことん追求するという姿が、疎ましくも好ましいのでした。

 

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