世界の終わりとハードボイルドワンダーランド
「ブッラッド・メリディアン」がぽっかりとあけた穴を埋めるべく、お気に入りの物語へ逃げ込みました。
村上さんの小説で最高だと思っている「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」。
ううう、しかし、選択を誤った。
村上さんの文体に惑わされてすらすらと読み進んでしまうけれど、これも考えてみればまったく救いのない話なのでした。
だって、あなた、特殊な職業とはいえ、まじめな社会生活を送っている平凡な(偏屈だけど)社会人が、ある日、本人の了解もなく頭の中をいじくりまわされてしまうのですよ。
それが原因で妙な組織と自分が属する組織から命を狙われ、あげくには「やみくろ」が支配する地底世界をうろうろしなければならない。
ああ、そして最後は「世界の終わり」に閉じ込められて、そして(意識の上では)永遠に生きなければならなくなってしまうのです。
マッカーシーもびっくりの理不尽ぶり。
村上さんにお願いがあります。
ピンクのスーツの娘に解凍された「私」がボブ・ディランを聞きながら博士の手術を待っている、なんていう後日譚を書いてもらえませんか。
たしかにろくでもない世の中だけど、救いだってあってもいいじゃないですか。
図書館司書の女の子に再会させろとまでは言いませんから。
今回あらためて気づいた恐ろしい事実(?)
神宮球場の下は「やみくろ」の巣だった。
スワローズの皆さん、さらわれないように気をつけて下さいね。
「やみくろ除け」の作り方は村上さんが知っていますから。
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この記事に対するコメント
ストレートは遅いのに抑え込んでしまった中沢君、なんだかデビュー当時の石川を思い出します。