Un gato lo vio −猫は見た

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NHK交響楽団 新潟公演(1月7日)

年の初めにふさわしく、明るく活気に満ちたプログラム。「フィガロの結婚」序曲は、これから1年、楽しいことが待っていますよ、と告げているようでしたし、「ピアノ協奏曲第9番」では、ソロ部分で小曽根さんがまさかのジャジーなアレンジ。体が揺れ始めてしまいました。これを聴いたらモーツァルトも喜びそうです。

「新世界より」では弦楽器に圧倒されました。バイオリンの華やかな旋律とそれを支える中低音の厚みが圧倒的。聞き惚れてしまいました。
聴かせどころたっぷりのホルンもかっこええ。一緒に出かけたトランペット吹きは「ホルンに変えようかな」とつぶやいておりました。

アンコールの「ピツィカート・ポルカ」は指揮の広上さん曰く「お年玉」とのこと。ウィーンフィルのニューイヤーコンサートではおなじみの曲。新年らしく楽しかった。

 

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チケット運に泣いた東響第96回新潟定演

リスト、ショパン、ラフマニノフのピアノ協奏曲を一度に楽しめるプログラムと聞いては出かけないわけにいきません。なにしろ、この型式を偏愛しているもので。
ところが、チケット予約で後れを取ってしまい、確保できたのは3階のステージ脇。音響大丈夫かな、と若干の不安を覚えたまま演奏会に臨んだのですが…

果たして、不安的中。
指揮者とピアニストの表情が見えるのは良しとしても、肝心の音が届いてこないじゃないかあ。隣の会場の演奏を聞いているような、ガラス1枚隔てた向こうの演奏を聞いているような、なんともやるせない状況で、(手摺りも邪魔で)全く集中できませんでした。特にピアノが聞こえなくて、これはひどすぎる。

演奏後の大喝采から察するに、なかなか出来の良い演奏だったようで、悔しさ倍増です。やはり座席は重要だと思い知らされた夏の夜でした。

 

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The Traveling Kind エミルー・ハリス&ロドニー・クロウェル



前作「Old Yellow Moon」でグラミー賞を獲得したエミルー・ハリスとロドニー・クロウェルがまたもコンビを組んでくれました。11曲中6曲が2人の共作。二匹目の鰌を狙ったお手軽な連作ではないことがうかがえます。私たちを取りまく事物を明るくシンプルに歌っていて、そして、人生の荒波を乗り越え、なにごともそのまま受け入れられるようになった人たちの持つ余裕が心地よいアルバムです。

そうは言いながら、出だしのフレーズを聴いたとたん、ひどく心をかき乱される曲がありました。
−−星になったあなたと私の間には越えられない山がそびえている。今も心の中にはあなたがいるけれど、温もりを感じることはできない。私が天国の門をくぐるときは、どうか花嫁として迎えて欲しい。

ああ、エミーがまたパーソンズを偲んでいる。
アルバム「Hard Bargain」の冒頭に収められた「The Road」がグラム・パーソンズに捧げる叙事詩だとしたら、このアルバムの「Higher Mountains」は寂しい夜にしたためたラブレターと言えるでしょう。
パーソンズを慕うエミルーの想いは揺るぐことがないようです。他人の恋愛ごとなのに、彼女の歌声を聴くと目頭が熱くなり、まるで自分の心がパーソンズを求めて泣いているように感じられるのでした。

インタビューによれば、2人の出逢いは36年前、エミルーのソロアルバムに遡るとか。レコーディング曲が決まらない中、クロウェルのデモテープに心を奪われ(Bluebird Wine)、そのまま会いに出かけたとのこと。音楽の好みも似ていて、すぐに友達になり、そのときから一緒に歌うことが楽しかったそうです。
 
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Fume リリィ・アンド・マデリン



コーラスの美しさが素晴らしい女性デュオのアルバムです。透明感に溢れながら、一方で若さの持つ鋭さも併せ持ち、なかなかやるな、とおじさんを唸らせてくれました。
バックもシンプルで、楽器の音数も少なく抑えめの演奏。2人の歌声が一層際立ちますね。

このアルバムを聴くと、ハーモニーって美しくそして楽しいものなんだなあと改めて感じます。見事に混じり合った人の声はどんな楽器をも超えるかもしれません。

人は共感し、共同体を築くことで進化してきたという説がありますが、ある種の調和に心地よさを感じるということは、その説の正しさを証明しているように思います。

最近、同様にハーモニーの美しいミュージシャンに何組か遭遇しました。以下にお勧めを。
人の進化に思いを馳せながら聴くのも一興かと思います。

The Greencards



First Aid Kit



Good Lovelies


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Diana Gameros



NPRでたまたま耳にしたDiana Gameros(ディアナ・ガメロスと発音するのかな?)の歌声にすっかり心を奪われてしまいました。
心の内を素直に表現しているような素朴さが懐かしくも新鮮。一方で、いろいろな音楽を聞いてきたのだろうなと想像させられるバラエティの豊かさも感じさせてくれます。飾らないラテンなアレンジがいいなんだなあ。

音源を購入しようとしたところ、AmazonやiTunesでは扱っておらず、どうやらCDを自主制作したようです。
YouTubeにはライブ演奏がアップされていて、親密感あふれる会場の様子を見ているうちに、なんだか誰かに教えたくなってしまいました。

古いものでは5年前の演奏があり、そんなにキャリアがあるのかと驚きました。才能に恵まれたとしても、日の目を浴びなければこうして地道に活動を続けるしかないんだ、きっと世界には大勢こういうミュージシャンが埋もれているのだろうなと、改めて感じ入った次第。

ともあれ、しばらくは彼女の歌声が就寝前の楽しみになりそうです。

公式サイトはこちら。


 

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ネマニャ・ラドゥロヴィチ in りゅーとぴあ



ちりちりの長髪、中国の長袍のような黒服に黒タイツ、おまけに膝に届きそうなブーツ。
そのやんちゃな外見からパワフルな音を予想したのですが、前半はとても抑制が効いた演奏でした(むしろピアノのスーザン・マノフの方がダイナミック)。でも、パワーを秘めているのは確実。大排気量の自動車が適度な速度でクルージングしているようで、ゆとりが感じられます。

休憩後からはかなり乗ってきたようで、いよいよ本領発揮。音量が上がり、滑らかさも増したような気がします。まるでアンプが入ったみたい。フランクのソナタではあまりの熱演振りに第2楽章の終わりで拍手が出るほどでした。
そして、木管楽器のような低音から口笛のような高音まで自在に操るテクニックに呆然。あんな音は初めて。しかもピアニシモで奏でるなんて(プロなら普通にできるのかな?)。

アンコールには3回も応じ、しかも最後は3曲ほどのメドレーという大サービス。
終始笑顔で演奏し、時におどけてみせる様はやんちゃぼうずのようで、耳だけではなく目も楽しませてくれました。客席も盛り上がり、手拍子まで出ましたからね。

すっかりのぼせたご婦人方も多かったようで、本人がサインしてくれるというCD販売会は女性客が行列。あっという間に売り切れでした。

個人的にはピアノとの掛け合いが絶妙なモーツァルトが楽しかった。マノフと視線を合わせてタイミングをとる様子はダンスを踊っているようでした。アンコールのチャルダッシュではこちらが踊りたくなっちゃいました。
2000円という破格の料金もナイスです(東京は7000円だとか)。
 
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Wrote a Song for Everyone ジョン・フォガティ



おお、ロックしてます。
フォガティが他のミュージシャンを招いて自らの代表作をセルフカバーしたアルバムです。

ひねった編曲はなく、今の自分があの頃の曲を演奏したらこうなるんだぜ、と素直に繊細にしかもパワフルに歌っていて、なんだかとても嬉しそうです。
暖かく、聞く者の心にしっくり馴染むような音はまるでフランネルのシャツのよう。

リーフレットによれば、このアルバムは奥さんの発案によるものだとか。
2人の息子も演奏に参加していて(Lodi)、明るく楽しい家族の見本みたいですね。ジャケット写真の表情も渋さと可愛らしさが同居していて好いですねえ。
あこがれます。
 
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セヴィリアの理髪師



1人の女性を巡る2つのグループの争奪戦。
叔父で後見人の医師バルトロに軟禁されたロジーナは、セヴィリアの退屈な生活にうんざり。しかも叔父は結婚を画策している様子。すてきな人が自分を救い出してくれないものかと夢見ています。

そして、アルマヴィーヴァ伯爵はマドリッドで目にしたロジーナに一目惚れ。彼女を手に入れようとセヴィリアまで出向いたものの、バルトロ+音楽教師陣営の守りが堅く、打つ手なし。
そんなところに登場したのが理髪師で何でも屋のフィガロ。さて、この稀代のお調子者で楽天家の知恵を借りて、ロジーナを救出することができるのか。

ご存じ「フィガロの結婚」の前日譚でありまして、同様にお気楽この上ないオペラでした。アリアも楽しいメロディーが多くて親しみやすいし、教訓もなんにもないところが素晴らしい。ああ、楽しかった! と気分爽快なのであります。

その後の「フィガロの結婚」では、伯爵がロジーナをほっぽり出してフィガロの婚約相手にちょっかいを出すことになります。ロジーナは、こんなことなら結婚するんじゃなかった、と後悔しているかもしれませんね。
併せて見ると楽しさ倍増です。

私が見たのは2002年にパリ、バスティーユ歌劇場で上演された舞台。指揮カンパネッラ、演奏パリ・オペラ座管弦楽団、演出は映画監督のセローでした。
セヴィリアの街をイスラム世界に設定していたため、衣装やセットの抽象・幾何学模様が何とも言えず美しかった。そして、歌手のことはよく知らないのですが、頻繁に登場する複雑な重唱には引き込まれてしまうものがありました。

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アイーダ



オペラはCDだけ聴いていては楽しさが半分以下ですね。
豪華絢爛たる舞台や衣装はもちろん(いったい、いくらかかっているんだ?)、やっぱりストーリーが分かると分からないとでは大違い。
字幕付きDVDはその点でありがたいものです。

で、ヴェルディのアイーダ。
そうか、古代エジプトを舞台にした三角関係のお話しだったのか。人のやることは昔から変わらないということでしょうか。

エジプト軍に捕虜として捕らえられたエチオピア王女アイーダ。
彼女はエジプトの若き武将ラダメスと密かな恋仲にあるのですが、ファラオの娘アムネリスが彼に横恋慕。
敵国の捕虜があたしの好きな男といちゃつくなんて許せない! というわけで、国王の力で強引にラダメスを婚約者にしてしまうのですが……

当然ながら幸せは誰にも訪れない。
元々、ラダメスとアイーダの恋が成就する状況ではありませんが、それでもアムネリスの横恋慕がなければ2人が死ぬことはなかったはず。
そして、自分の思いが好きな男を死に追いやることになったアムネリスも気の毒と言えば気の毒です。
ああ、恋とは実にやっかいなものです。

今回観たのは2001年にイタリアのブッセートで行われた、ヴェルディ没後100周年記念の舞台でした。指揮はステファネッリ、演出はゼッフィッリ。出演者は全員20代ということで、なるほど、悲劇ながらも観ていて清々しい気持ちになりました。

このオペラ、タイトルはアイーダだけど、アムネリスの苦悩ぶりが際立っています。

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Old Yellow Moon



こんなに楽しそうなエミルー・ハリスの歌声は初めてだ!
昔なじみの音楽仲間ロドニー・クロウェルと組んだデュエットアルバム「Old Yellow Moon」はハッピーな気分にあふれています。

特に冒頭の2曲。
なんだか緑にあふれる小高い丘をピクニックしているような気分になります。てっぺんでお弁当を拡げると眼下には農場や人家が散らばっていて、見上げる空は気持ちのいい水色で(もっとも、歌詞は悲惨。どちらも恋なんてこりごりと訴えています)。

ハリスはパーソンズを始めとして、ヤング、キャッシュ、ロンシュタット、コステロ、オービソンなど、男女を問わずさまざまな歌い手とデュエットを重ねてきました。マーク・ノプラーと作った疾走感あふれる「All The Roadrunning」も記憶に新しいところ。

この人は誰かに寄り添うようにして歌うと本当に味が出ると思っていましたが、今回の組み合わせでは2人の歌声が一切の抵抗なく混じり合い、単なるハーモニーの域を超えているように感じられます。互いの歌声をサポートしあうというより、新しい1つの声が生まれたような。
息が合うとはこういうことなのかもしれません。

ハーモニーについて質問されたハリスは次のように応えています。
「特別に習ったことはないわね。強いて自分の特徴を挙げるなら、何も知らなくて恐いもの知らずということかしら。
「今回のアルバムでは、ただ口を開けて音楽とロドニーを信頼するだけでOKだった」

歌うという行為は純粋に楽しい。それを教えてくれるキュートなアルバムです。

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