Un gato lo vio −猫は見た

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ジロ・デ・イタリア2023 第20ステージ

2023年ジロ・デ・イタリアの第20ステージは超難関山岳TT。これを特別な感慨抜きに観戦することなど不可能でした。

 

総合トップのトーマスを29秒差の2位で追うログリッチ。3年前のツール・ド・フランスでは19ステージまで首位を走りながら、同様のTTでポガチャルに2分近い差をつけられて順位が逆転。事態をうまく理解できずに虚な表情を浮かべていた姿は実に痛ましかった。そして今度は同じ状況で追う立場。しかも母国スロベニアとは指呼の距離。沿道には彼を応援する大勢のファン。これは絶対何かが起きる。

 

3年前の悪夢以降、不運に見舞われ続けながら優勝を目指して走り続けてきた彼の精神力。サポートに徹するチーム。同様に勝利を目指すライバルたちの激走。途切れることなく続く沿道の声援。そして隙のない大会運営。いやはや、スポーツの素晴らしさに胸が熱くなる夜でした。

 

以下余談

 

もしかすると前日の山岳ステージはこの日のための様子見だったのかもしれない。というのも、特別仕様バイクでゴールしながら全力を出し切った感じがなかったのです。トーマスに対して数秒しか縮められなかったのに残念そうでもない。

フロントシングルの軽量バイクがどの程度有効なのか、トーマスの調子はどうなのか。そこを冷静に見極め、TTに備えて余力を残した。これで明日は逆転可能とほくそ笑んでいた、というのは妄想が過ぎるかな。

 

 

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野球場の幸せ   HARD OFF ECOスタジアム

久しぶりに新潟で野球観戦。当然のことながら観客数も1万人ほどに限られ、感染予防対策に従うため、声を上げての応援ができないことには物足りなさも感じました。でも、鳴り物もないために打球音や選手の声がよく聞こえ(村上君の声は大きい!)、プロのすごさを感じるには静かな応援がいいなあ思う次第。

 

野球場に出向くとそれぞれの贔屓チームのユニフォームや応援グッズに身を固めた人がわんさかわんさかで(私もオリジナルTシャツで)、図らずもファン同志の一体感を感じ、普段は感じない何ものかへの帰属意識が芽生えてくるところが楽しく、そして少々恐ろしかったりします。

 

夕焼けがやがてすみれ色に変わり、暗くなった空を背景に緑色のグラウンドを照らすカクテル光線の眩しさ。浮き立つような観客席の雰囲気。手を挙げればすぐに補充される冷たいビール。うーん、夏の暑い夜を過ごすのにこれほど素敵な場所は、やっぱり他にありません。

 

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自転車ロード男子   東京オリンピック

1週間前に決着したばかりのツール・ド・フランス。その主役3人が好調を維持したままの表彰台となりましたね。タイトなスケジュール、環境の変化、時差を考えれば、ツール組だったニバリ、バルベルデ、ログリッチ、Gの脱落は当然なのです。それなのに、表彰台の若者3人はツールの第22ステージだとでも言わんばかりの好調ぶり。お見事でした。

 

レース中は3人それぞれの表情でした。カラパスは何が何でも雪辱を果たすという気迫に満ちていたし、ファンアールトは辛そうな表情ながらマイペースで粘り抜き、ポガチャルは涼しい顔ですいすいと実に楽しそう。表彰台ではしゃぐ姿も微笑ましかった。

 

それにしても選手の皆さんはご苦労様でした。240キロの山岳コースというだけでも気が遠くなるのにあの気温と湿度。したたる汗にこちらまで目眩がする午後でした。

 

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クボタ v 宗像サニックス   カップ・プール戦

11月11日、久しぶりのトップリーグ観戦はカップ戦のクボタ 対 宗像サニックス。ビールを飲むに支障のないまずまずのお天気で一安心。会場となった新潟市陸上競技場を見渡すと、観客は小学生のラグビー少年少女とその親、高校ラグビー部員、新潟クボタ関係者を中心に1000人程度の入り。来年、日本でワールドカップが開催されるにしては寂しいなあ。

 

試合そのものは白熱して見応えがありました。がむしゃらに攻め続けるサニックスの攻撃にクボタが堅いデフェンスで応じ、ターンオーバーで一気にトライを奪うという展開。ハンドリングエラーや反則も少なく、締まった試合でした。

 

タックルが入った時の衝突音は凄まじいですね(バスン!)。スクラムを組んだときの響きもぞわぞわします(ドスッ!)。あれでよく骨が折れないものだ。昔、体育の実技で第1列に入ったときは、背骨が折れたと思ったことを思い出し、背骨ならぬ背筋がひやりとしました、はい。この圧倒的な肉体の存在感がライブ観戦ならではの楽しみです。

 

ただ、会場に大型スクリーンが設置されていないことが残念。密集しているとボールが見えないし、TOM(ビデオ判定)の際もどのプレーを審議しているのか全く分からず、一喜一憂のしようがないのでした。まあ、会場が会場だけにこればかりはどうしようもない。

 

ともあれ、穏やかな秋の一日を楽しく過ごして満足、満足。

 

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ヤナ・ノボトナの涙 

ボルグとマッケンローの手に汗握る攻防に夢中になって以来、ウィンブルドン選手権の虜になり、アガシ引退の年まで熱心にテレビ観戦したものです。
数々の名勝負、名場面が思い出されます。その中で、私の心に最も印象深く残っているのは、ボルグの5連覇でもなく、アガシの純白のウエアでもなく、ひいきにしていたイワニセビッチ初優勝でもなく、ヤナ・ノボトナが決勝戦敗退後に流した涙です。

1993年の決勝戦、相手は女王グラフ。第1セットのタイブレークを接戦の末落としたものの、第2セットを6-1で取り戻し、そのままの勢いで第3セットも4-1とリード。初優勝は決定的と思われましたが、ダブルフォルトをきっかけにずるずると5ゲームを連続で失い、まさか、まさかの逆転負け。
表彰式で優勝プレートがグラフに手渡されるとノボトナは感情を抑えられなくなりました。その涙を目にしたケント公夫人がノボトナの肩に腕を回すと、彼女はその肩を借りて泣きじゃくることになるのでした。

後にノボトナはBBCのインタビューでこう語っています。
「翌日新聞を広げたら1面にケント公夫人と私の写真が載っていて、まるで優勝したみたいだった。
負けてしまったのに93年の試合をいちばん誇りに思うと言ったら怪訝な顔をされるかもしれない。でも、あの試合があったからこそ私のプレーは進歩し、人として成長できた」

肩を借してくれたケント公夫人は「あなたならできるわよ」と励ましてくれたのだとか。その後もノボトナはウィンブルドンへの出場を続け、97年は再び準優勝、そして翌98年、3度目の決勝戦でついに優勝。ケント公夫人の言葉が正しかったことを証明して見せたのでした。
愛おしそうに優勝プレートを抱きしめた姿も忘れられません。

がんのため49歳で亡くなったノボトナさんのご冥福をお祈りします。

 

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明治神宮外苑創建90年記念奉納試合

穏やかに晴れ上がった秋の午後。ただただ純粋に野球の試合を楽しむことができました。明治神宮外苑創建90年記念の奉納試合です。
1塁・ライト側のスタンドを埋め尽くすのはスワローズファン、3塁・レフト側スタンドで伝統の応援を繰り広げるのは東京六大学ファン。

プロ・アマ交流試合ということで、そもそも勝負が目的ではありません。楽しみはアマチュアがプロ相手にどれほどの善戦を尽くすかという点のみ。とはいうものの、来季からプロ入りする選手も多く、プロ側もおちおちしていられません。

ひいきの選手を応援しながらも、互いの応援チームをたたえ合うスタンドの雰囲気は非常に和やか。勝負が目的ではない分だけ、出場した全選手のプレーひとつひとつが素直に目に映り、その技術力の高さ、全力を尽くそうとする姿勢に歓声をあげることになりました。

ああ、野球って美しいスポーツだな、野球場って楽しい空間だなとしみじみ感じる午後でした。
今回はテレビ観戦。100周年記念の奉納試合が行われるのであれば、今度は是非とも足を運ぼうと思うのでした。

 

 

それにしても、スワローズの大引選手はすごかった。10年前の奉納試合では六大学選抜の1番手として登場、先制を許した直後の1回裏にいきなり同点ホームラン。ああ、この選手がほしいと思ったものですが、今回はなんと、スワローズの選手として登場。4回裏に学生側を突き放す3ランホームランを打ってしまいました。狙っていたというのですから、脱帽するばかり。

大引選手、来季はこの調子でお願いしますぜ。

 

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日本 v. 南アフリカ ラグビーワールドカップ2015



とんでもない瞬間を目撃してしまった!
なんと、なんと、なんと、日本が南アフリカに逆転勝利!
いつか日本がワールドカップで2勝目をあげる日が来ると思っていたけれど、まさかそれが今日という日で、しかも相手がスプリングボックスだなんて。
これまでの長く屈辱に満ちた歴史があったからこそ、いっそう今日の勝利が愛おしい。

世界で最も厳しい練習をこなす男たちは戦前から「歴史を変える」と口にしていました。しかし、ワールドカップ出場チーム中、最も勝率の低いチームが最も勝率の高いチームを倒すなんて。正直なところ、善戦は予想できても勝利はあり得ないと思っていました。

フィジカル面でもひけをとらず、執拗に繰り返す低いタックル。残り20分を迎えても衰えることのないフィットネス。日本ラグビーの歴史を変えるのだという信念。そして生まれたインジュアリータイムの逆転トライ。
いやはや、すごい男たちだ。

個人的には、終始落ち着いた五郎丸の表情が印象的でした。同点のペナルティキックではなく、逆転のトライを狙ったラスト1プレイの選択もしびれたねえ。
「ベスト8」あるかもしれません。
 
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新潟シティライド



むなしく埃が積もってしまったロードバイクが哀れで、久しぶりにイベントに参加しました。
新潟市を一周する「新潟シティライド」120キロです。

一人で黙々とペダルを廻していると「なんでわざわざ辛いことしてるんだろ?」と疑問が頭をかすめることもありますが、大勢で走るといろんな人がいて、そんな人たちを見ているだけでも楽しい。


ギターを抱えた謎の軍人さん(?)にはみんなが注目。どこで弾くつもりなのか訊いてみたところ「実は弾けないんです、ははは」という意表を突いた返事でした。


最年少参加は8歳の小学生。チェックポイントごとに顔を合わせることになりましたが、ということは私と同じ速度で走っている!
最後の30キロは「膝が痛い」と訴えたものの、テーピングを施して無事完走。いやあ、すごいすごい。

集団内に混ぜてもらうと、一人では絶対に出せないスピードで走れてしまうことも嬉しいですね。風よけになっていただいたみなさん、目障りだったでしょうが、おかげでレース気分を味わえました。ありがたいことです。

コースは120キロありますが、オールフラットなので初心者や私のようなへたれライダーでも大丈夫。わざわざ遠出をせずに、自宅からスタート地点まで自走できるところも気楽でよかった。
運営も手作り感あふれる暖かさに好感が持てました。
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野球場の幸せ たとえ雷雨に見舞われても



ちょっと前のお話。
久しぶりにプロ野球公式戦を観戦。新潟とはいえ、さすがに雰囲気が違いますね。
祝祭ムードにあふれ、みんな楽しそうです。

ところで、最近雨に濡れて喜んだことありますか?
ゲーム途中、突然の雷雨に襲われ、あっという間にずぶ濡れになってしまったのですが、それさえ楽しいのはお祭り気分と高い気温のおかげ。
どうせすぐ乾いてしまうんだからと、雨のスタンドで写真を撮って楽しみました。


ね、みんな結構楽しそうでしょ。


翌日のデーゲームはこんな感じ。
やっぱり野球場は楽しい。
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コンタドールの涙

 久しぶり、久しぶり、本当に久しぶりにスリリングなグランツールでした。
謹慎明けとはいえ、現役最強のコンタドールが逆転の17ステージで見せた涙にそのおもしろさの全てが凝縮されていたように思います。

地味ながら着実に実力をアップしてきたロドリゲス。1年以上のブランクがあったコンタドール。ランスにも後継者と目された実力者バルベルデ。
実力伯仲のステージが続くも、コンディションはロドリゲスが頭一つ抜け出ていて、ベテランが遅まきながらスターの仲間入りするのか! と思いきや、やっぱりロードレースはチームスポーツなのでした。

恐るべきはコンタドール擁するサクソバンクのリース監督。
コンディションで劣るコンタドールをたった1ステージでリーダーに導いてしまったその頭の冴えはさすがなのであります。
もちろんそれに応えるコンタもすごいけれど、リースの手腕に脱帽。
これだからレース観戦をやめられないんだよなあ。

好き嫌いは別にして(特にあのバキューンポーズ)、17ステージで復帰後初勝利をつかんだコンタの表情には胸打たれるものがありました。
いかに彼らが僅差の中でプレッシャーにさいなまれているのか、コンタの涙が教えてくれました。


個人的には、ロドリゲスの次回グランツールにものすごく期待するのであります。


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