Un gato lo vio −猫は見た

映画やらスポーツやら小説やら、あれやこれや。
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角田山   三望平大岩(?)コース

日本海側の登山口から登ると山頂手前で開ける三望平園地。ここから南に向かって明らかな踏み跡があり、気になって仕方ないのでついに取り付くことに。幸い、地元の方のブログに登山記録を見つけたので、参考にさせてもらいました。

 

ほたるの里コース駐車場から五箇峠に向かって歩き出すと、5分程で林道鴻ケ石線への分岐。舗装されていますが結構な急勾配。最大で15%以上はありそうなひっそりした道(犬を散歩している人に出会って互いにびっくり)を歩くことおよそ30分、標高200メートル付近で入り口目印のテープを発見できました。ありがたい。

 

いきなりロープで崖を登った後は比較的登りやすい印象です。標高365メートルとおぼしき地点には一抱えほどの岩があり、小さなお地蔵さんが埋め込まれていました。奇特な人がいるものです。付近には地図に載っていない古い三角点(?)も。

 

取り付きから三望平まではゆっくり登って50分。それなりに面白かったけれど眺望が利かず変化に乏しいので、再挑戦はなしかな。登って楽しい道が公式ルートになるんだと再認識の一日でした。

 

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長く高い壁   浅田次郎

日中戦争下の中満国境地帯。北支方面軍守備隊の一分隊10名が万里の長城で謎の不審死を遂げる。真相解明を命じられた従軍作家と若き将校が現地に派遣され、生き残りの兵士や住人から事情聴取を行うものの、その内容は矛盾だらけ。真相は解明されるのか。


ミステリー仕立てという新しいスタイルでしたが、今回も次郎節にブレはありません。「勲章も名誉も要らない。ただ卑怯者にだけはなりたくなかった」と言う軍曹の言葉に浅田さんの伝えたいことが凝縮されていると感じます。

 

次々に呼び出される当事者の発言が食い違うこの形、映画「羅生門」を連想させます(ミステリーの王道とも言えますが)。保身を図る、あるいは真相を闇に葬ろうとする人間のあさましさがいつまでも小説や映画の主題として古びないことが残念。

 

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Bad Moon Rising   妄想訳その2

さらにもう一つ妄想訳を。この楽曲が発表されたのは核戦争が今よりリアルに感じられた時代。字面通りに読めば反核の歌とも読み取れるような。
 

ということで妄想訳その2。

イントロの前にラジオから次のようなアナウンスが流れたと想像してください。

 

「緊急事態宣言の発令です。
敵国が核ミサイルを発射しました。
我が国もすぐさま応戦し……」


見ろよ、月が怪しいぞ
とんでもないことになっちまった
大地が揺れ稲妻が走っている
最悪の事態が起きてしまった

 

今夜は家にこもっていな
外に出たら命とりだ
月が怪しく輝いている

 

強風が吹いてきたな
もうこの世の終わりさ
川もあふれ出すだろう
怒りと破滅の音が満ちている

 

身辺整理をしようぜ
いつ死んだっておかしくない
破滅に向かう戦争が始まったんだからな
やられたらやり返せってよ

 

今夜は家にこもっていな
外に出たら命とりだ
月が怪しく輝いている

 

ジョン・フォガティお元気で何よりです。
家族による演奏楽しく見ています。

 

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Bad Moon Rising   妄想訳その1

クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(CCR)の軽快なこの曲大好きです。気分がいい時にはついつい口ずさんでしまします。


ただ、ポップな曲調と「Bad Moon Rising」という不穏な言葉の組み合わせに長い間違和感を感じていて、いったいどういう歌詞なんだろうと改めて調べた次第。いろんな人の訳詞を参考にさせてもらったのだけれど、どれも暗い未来を予言する内容で、今一つ腑に落ちない。そこで、そういえばと思い出したのが「Baby, It's Cold Outside」という曲。帰りたがる相手を外は寒いからと引き留める内容です。


そうだ、もしかすると、Bad Moon Risingは浮気がばれて愛想尽かしを喰らった男が出て行こうとする彼女を引き止めようとしているのでは? ということで以下に妄想訳です(英語歌詞はこちらを)

 

Bad Moon Rising


ほら月も怪しい雰囲気だし
良くないことが起きそうだよ
地震が起きるかもしれないし雷が落ちるかも
今日は次から次へと変なことばかりさ

 

だから今夜は出て行かない方がいいよ
危ないったらありゃしない
ほら月が怪しいだろう

 

嵐が近づいてきた
もうこの世の終わりさ
川も溢れるんじゃないか
すさまじい音が聞こえるよ

 

もう荷物もまとめたのかい
僕なしで生きていくって決めたのかい
確かに僕らの雰囲気は最悪だけどさ
まいったなあ、目には目をってことなの?

 

今夜は出て行かない方がいいよ
危ないったらありゃしない
ほら月が怪しいだろう

 

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デッド・ドント・ダイ   ジム・ジャームッシュ

北極の大規模開発で地軸がずれてしまい、世界中で異変の兆しが。警官が3人しかいない田舎町センタービルでも昼夜の長さが変化したり、動物たちが姿を隠したりとただなら気配が漂い始め、そしてついにゾンビが現れた!

 

冒頭、パトカーのラジオからテーマ曲「デッド・ドント・ダイ」が流れ始めると署員のピーターソンが「これ、(この映画の)テーマ曲なんだ」と言い出し、おっ、さっそく始まったとニヤニヤ。登場人物が出演作に言及するメタ映画になっているだけではなく、過去の映画へのオマージュやら駄洒落やらが散りばめられているものだから、元ネタ探りに忙しくて全然怖くならない。

 

圧倒的な数のゾンビに町の住人達は為す術なし。次々と喰われてはゾンビ化していくしかなく、警官3人は「酷い結末が待っている」と最初から諦めモード。葬儀会社の謎の剣術使いゼルダが救いの神かと思いきや、にっこり笑ってあっさり宇宙へ帰っちゃうんだもんなあ。

 

物に執着しすぎ、魂を失ったような人間がもれなくゾンビ化していく中で、森に暮らす世捨て人ボブ(トム・ウェイツ! はまり役です)が最後まで観察者として事態を見届け、少年院に収容されていた少年少女3人だけが逃げおおせたように見えることにメッセージが含まれているのかもしれません。まあ、でも単純に楽しい映画でした。

 

ゾンビ達が生き返ってなお、生前執着していたコーヒー、ワイン、Wi-Fi、ギター、テニス、ファッションなどに執着している様が笑えます。私もゾンビ化確実だ。

 

新潟はシネ・ウインドで9月11日まで

 

映画公式サイトはこちら

 

 

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濹東綺譚   新藤兼人

永井荷風の同名原作と作者が日常を記した「断腸亭日乗」を組み合わせ、荷風自身が主人公となってお雪の元へ通う設定。時代の趨勢に迎合せず、しかも批判をものともせず女性遍歴を続けた頑な性格、そして彼が好んだ滅び行く日本情緒を描き出そうとしています。

 

日中戦争真っ只中だった時代の赤線地帯がどのような雰囲気だったのか、具体的に目にすることができたのは小説を楽しむ上で大いに参考になりました。荷風の住居である「偏奇館」が「ペンキ館」の当て字だとは知らなかった。

 

長く荷風の小説に馴染んだ身としては劇中の荷風とお雪がたくましすぎるように見えること、あからさまに濡れ場を見せることに違和感を感じます。ただ、原作と映画が同じである必要はないと思うので、これはこれであり。もしかすると、荷風が敢えて記さなかった性への執着を読み取ったうえでの演出なのかもしれません。

 

荷風は、白く綺麗な布地に些細な汚れを認めることを良しとせず、薄汚れた布にあでやかさの名残を探すような心づもりで原作を書いたようです。その雰囲気は岩波文庫版の挿絵や私家版の写真によく表れていると思います。

 

小説と映画のいずれが優れているかという目で見るのではなく、併せて体験することで荷風の世界への理解が深まるのではないかと思います。共に未体験だったら先に映画かな。

 

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ひまわり   ヴィットリオ・デ・シーカ

初公開50周年を記念したレストア版。何度か見ていますが映画館での鑑賞は初めて。わずかな表情の変化も分かるし、ロシアの大地の広大さも迫ってくるし、やはり大画面は良かった。

 

ああ、そして毎度同じシーンで胸が塞がります。はるばるロシアに赴き、ついに探し当てた夫に妻子があると知ったジョバンナ。やっと築いた幸せが奪われるかもしれないと怯えるマーシャ。言葉が通じない2人の妻の心のせめぎ合いに涙がちょちょ切れるのでした。

 

シネ・ウインドは感染予防対策で入場者数を半分以下に制限していましたが、むしろお客さんの数はいつもより多かった(平日なのに)。やはり名画は大画面で観たくなるものです。シネコンで行っていた「午前十時の映画祭」のように定期的に傑作映画を上映すれば、一定の集客数が見込めるのではないかと思うんだけど。

 

サイトはこちら

 

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The Second Sleep   Robert Harris

1468年4月、若き司祭フェアファックスは事故死したレイシー司祭の葬儀を執り行うため辺地の村に赴き、滞在した司祭館で膨大な異端の書を目にします。800年前に始まった「復活の世」における異端とはそれ以前の時代の歴史や遺物を調べること。しかし、聖職者であったレイシーの部屋には書物の他に発掘品と思われるプラスチックやガラス製品、かじられたリンゴのマークが記された奇妙な金属プレートなどが飾られているのでした。

 

レイシーが異端に染まっていたことを確信したフェアファックスでしたが、自らも高度な科学技術が発達していた過去に興味を引かれ、やがて地元有力者や異端の学者らとともに遺跡発掘に臨むことに。

 

私たちは高度に発達した現在の文明が未来永劫続くものと思っていますが、改めて歴史を振り返ってみれば、人類誕生以来、各地に栄えた文明は例外なく滅亡しています。そこに例外はありません。現代文明もいつかは滅んでしまうはず。

ちなみに、異端の書には「西暦」21世紀の物理学者が同時代における文明滅亡のリスクとなる要因を次のようにリストアップしています。

 

・気候変動
・核戦争
・超巨大火山爆発とそれに伴う気候変動の加速
・小惑星の衝突とそれに伴う気候変動の加速
・サイバー戦争、ウィルス、太陽活動などを原因とするコンピュータトラブル
・耐性菌によるパンデミック

 

こうしてみると、現在の暮らしが砂上の楼閣で営まれていることに改めて不安を感じます。リーダビリティに優れた本格ミステリーであるとともに、現代人に対する警告の書でもありました。

 

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バンディダス   ヨアヒム・ローニング

メキシコの鉄道敷設権を独占しようと目論むニューヨークの銀行頭取は部下のジャクソンに土地買収を命じます。しかし彼は悪辣な手段で農民や現地銀行家から土地や資産を巻き上げ、悪行は留まる所を知らず。

 

そこで立ち上がったのは農夫の娘マリアと現地銀行家の娘サラ。反目し合っていた2人ですが、共通の敵を倒すために共に強盗訓練に励むことに。さて結末やいかに。

 

美女2人が元気一杯に跳ね回る西部劇コメディです。ペネロペ・クルスとサルマ・ハエックの奮闘ぶりが純粋に楽しい1本でした。2人の激しい殴り合いは「華麗なる対決」のBB vs CCを超えたかも。頭取の娘婿役スティーヴ・ザーンは美味しい仕事だっただろうなあ。羨ましすぎる役得です。

 

ジャクソン役ドゥワイト・ヨーカムの怪演ぶりは主役2人に全く引けを取りません。映画で見るのは2作目だけれど、邪悪そうな雰囲気を漂わすのが実にうまい。本業ではクールな二枚目を通しているだけに、あまりの変貌ぶりに口がアングリ開いたまま。この路線でさらに突っ走って欲しいものです。

 

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青年   森鷗外

作家を目指して上京した純一君。無為に日々を過ごしながらも幾人かの人々と知り合いになるうち、男女を問わず自分の美貌が彼らを惹きつけていることに気が付きます。恋愛体験はまだ先でいいと思うものの、若い心と体は自然な反応を示してしまい、精神が肉体に従属させられてしまうことに困惑するのでした。

 

下宿屋主人の姪のお雪、劇場で隣り合った寡婦の坂井夫人、宴席で酌をした芸者のおちゃら、宿屋の女中お絹。彼が知り合う女性達は皆能動的です。男前で(おそらく)資産家の息子である彼に無遠慮な視線を向け、直接にあるいは間接的に誘いかけてきます。彼女たちの目には鴨がネギをしょっているように見えるのでしょう。

 

もちろん、誘惑に負けることもあるわけでして、そうなってしまえばまだ女性とは一線を画していたいという意志などくだけてしまい、彼女たちが何をしているのか気になるばかり。あろうことか嫉妬心まで抱いてしまった己に嫌気が差した純一君は決然とした行動を取りましたが、それすら女性達の掌で踊らされているようで、彼の前途は多難なようです。

 

ストーリーとは別に面白いと思ったのは、作家として名をなしていた郷里の先輩、大村までもが純一に惹かれ、自分に男色の気があるのかしらと首を傾げる場面。どうせなら男とのやりとりも書いて欲しかった。

 

明治の作家達の立ち位置のようなものも察せられました。鷗外は結構冷めていたようで、自分と漱石を比べ、役人をしている自分より教員を辞めて執筆している相手の方がまだましだと持ち上げています。

 

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